「サイバー不法占拠」常習者、FTCと和解
米連邦取引委員会がようやく和解にこぎつけた相手は、2002年に差し止め命令などが出されてからも、サイバー不法占拠を続けていた。
米連邦取引委員会(FTC)は10月16日、「サイバー不法占拠」を繰り返してきたジョン・ズッカリーニ被告と和解に至ったと発表した。同被告は2001年にFTCに提訴され、差し止め命令などが出されていたが、FTCはその後、同被告が命令を無視して不当な行為を続けていると主張、被告がこのFTCの主張に同意したというもの。FTCは同被告に対し、不当に得た利益16万4000ドルの返上のほか、法令順守などを求めている。
FTCの主張によると、ズッカリーニ被告は、商標やブランド、人名などのつづりの一部を変更したドメインを多数登録し、知らずにアクセスしたユーザーをだまし、広告などを通じて不法に利益を上げる、いわゆる「タイポスクワッティング」を続けてきた。例えば歌手のブリトニー・スピアーズ関連では41件、人気アニメ専門チャンネル「Cartoon Network」関連では15件ものドメイン名を登録。ユーザーが間違って被告のサイトにアクセスすると、インターネットギャンブルやポルノサイトなどの広告ウィンドウが次々に現れ、ウィンドウを閉じることも困難だったという。
FTCでは、2001年にズッカリーニ被告を提訴。被告に対しては2002年、不当な行為に対する終局差し止めや、不当に得た利益180万ドルの返上などを命じる判決が言い渡された。2003年には、ニューヨーク州南部地区の検事が同被告を刑事起訴し、懲役30カ月などの実刑が言い渡された。しかしFTCは、同被告が2002年の命令に違反し「サイバー不法占拠」を行っているとして、2006年に改めて提訴していた。
関連記事
- イタリアでタイポスクワッティングが大流行
URLの入力ミスを悪用するタイポスクワッティングがイタリアで大量発生している。 - 「.com」のつもりが「.cm」、カメルーンのGoogleサイトに要注意
「.com」と間違えて入力しがちなカメルーンのドメイン「.cm」がフィッシング詐欺のパラダイスになりかねないと、SANSが注意を促している。 - MS Research、Google「タイプミス」広告業者の存在を指摘
Microsoft Researchの研究者らは、GoogleがAdSenseにより有名サイトに似たドメイン名を占有して悪用する「タイポ(タイプミス)スクワッティング」を横行させていると指摘した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.