PS3苦戦 「ゲームメーカーの開発サポート改善する」とソニー
「モンスターハンター」などPS3での発売を予定していたソフトがWiiに乗り換える例もある中、ソニーのCFOが「PS3のゲームソフトメーカーに対するサポートは確かに弱かった」と認め、「今後は積極的にサポートしていく」と話した。
「PS3(プレイステーション 3)のゲームソフトメーカーに対するサポートは確かに弱かった。今後は積極的にサポートしていく」――ソニーの大根田伸行CFOは10月25日に開いた2007年7〜9月期(第2四半期)の決算会見の席でこう話した。PS3は、製造価格が販売価格を上回る逆ざや状態。同期のゲーム事業は967億円の営業赤字を計上し、赤字幅は前年同期よりも532億円拡大した。
同期のPS3販売台数は131万台と「想定を38万台ほど下回った」(大根田CFO)。だが10月に発表した値下げの効果が現れ始めており、第3四半期以降の見通しは明るいという。「廉価版発売に先駆けて日米で現行モデルを価格改定(値下げ)したが、売り上げは倍近くになっている。廉価版を先行発売した欧州でも2〜4倍に伸びている」(園田達幸IR担当部長)
値下げを武器に、最大の商戦期である年末商戦で勝負をかける。年間の売上げ台数見通しは1100万台から変えないが、大根田CFOは「想定よりも若干下に行くかもしれない。ただ、1000万台を切るというレベルではない」とした。
カプコンの「モンスターハンター3」など、PS3での発売を予定していたソフトがWiiに乗り換える例もあり、「PS3はゲームメーカーへの開発サポートが不十分」という指摘もある。大根田CFOは「確かに今まで、ゲームメーカーへのサポートが弱かった。今後はSCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント)に積極的にサポートをやらせる」と話した。
PS3は、製造価格が販売価格を上回る赤字状態が続いている。コスト削減などでカバーしていく予定だが「ゲーム事業の今期中の黒字化は無理」(大根田CFO)という見通し。「来期の黒字化を目指す」
薄型の新モデルが好評なPSP(プレイステーション・ポータブル)と、プレイステーション2は想定を上回る売れ行きで、第2四半期の販売台数はPSPが258万台、PS2が328万台。通期の販売見通しもそれぞれ上方修正し、PSPは100万台上乗せして1000万台、PS2は200万台上乗せして1200万台とする。
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