Intel、ペーパークリップより軽い小型SSD発表
Intelの「Z-P140」は親指のつめサイズの超小型SSDで、容量は2Gバイトと4Gバイト。HDDよりも省電力だ。
米Intelは12月14日、親指のつめ程度のサイズの新しいSSD(ソリッドステートドライブ)を発表した。多数の携帯機器で、次世代のモバイル、デジタルエンターテインメント、組み込みアプリケーションの重要なコンポーネントになるとしている。
この「Z-P140 PATA(Parallel Advanced Technology Attachment)Solid State Drive」は、初めて少数の記者とアナリストにサンフランシスコのキャンプトンプレースホテルで披露された。超小型で省電力、高性能のNAND型フラッシュメモリを使っており、容量は2Gバイトと4Gバイト。
Intelはこのイベントで、1月にラスベガスで開催されるInternational CESで展示する製品の一部を披露した。
「かつて、NAND型フラッシュメモリはコンピュータのBIOSを実行し、USBメモリにデータを格納するためだけに使われていた」とIntelのNAND製品部門プロダクトラインマネジャー、ドン・ラーソン氏は言う。「NAND型フラッシュは大きく発展したし、今後ももっと進化するだろう。Z-P140はその素晴らしい一例だ」
Z-P140はペーパークリップよりも軽いが、OS全体――Linuxなど標準的なOS――を格納した上に、アプリケーションを入れる余地が十分にある一種の「システム・オン・チップ」を、標準的なPATAインタフェースを使って提供するとラーソン氏は説明する。
2Gバイト版と4Gバイト版は2008年初めに登場する。8Gバイト版と16Gバイト版は2008年内か2009年に提供される見込み。これらのバージョンはすべて、Intelの新しいモバイル機器向けプラットフォーム「Menlow」(SilverthorneプロセッサとPoulsboチップセットを含む)と連係すると同氏は言う。
同氏は、Z-P140はノートPC、PDA、GPS機器、デジタル電話、ゲーム機などあらゆる範囲のITデバイスで使われるだろうと語る。
「2010年までに64Gバイト版の製造に入ると予測している。NAND型フラッシュメモリがHDDに取って代わる日が迫りつつある。もっとも、幾らか時間はかかるだろうが」(同氏)
同氏は、Z-P140は読み込み速度40Mバイト/秒、書き込み速度30Mバイト/秒で、テストではHDDよりも30%高速で、消費電力も75%少なかったとしている。
「この製品の方がランダムアクセスが高速だ。すべて純粋にメモリで、機械的なレイテンシがないからだ。回転するプラッタがないということは、消費電力が(HDDより)少ないということだ。熱もほとんど、あるいはまったく生じない。だからファンは不要だ」(同氏)
Z-P140は3個のNANDデバイスを追加すれば16Gバイトに拡張できるという。MTBF(平均故障間隔)は250万時間とされている。
これまでのNAND型フラッシュメモリから大きく改善されているとラーソン氏は言う。
「Intelには『ウェアレベリング』という優れたソフトウェア機能がある。これは、NAND型フラッシュドライブの表面全体をスキャンして、データを全体に分散することを可能にする。だから、ドライブの摩耗を早める可能性のある『ホット』な場所も『コールド』な場所もできない」(同氏)
「この製品は、NAND型フラッシュメモリの寿命に関して以前からあった多くの問いへの答えだ」
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