米国でフィッシング攻撃が増加し、年間の被害額は32億ドルに達したとする調査報告書を12月17日、Gartnerが発表した。2007年8月までの1年間のフィッシング詐欺被害者は360万人となり、前年の230万人から大幅に増えている。
調査は2007年8月に、米国でネットを利用している成人約4500人を対象に実施した。フィッシング詐欺メールを受信したコンシューマーのうち、金銭被害を被ったのは3.3%。2006年の2.3%、2005年の2.9%に比べて増加した。
ただ、1件当たりの被害額は平均886ドルとなり、前年の1244ドルに比べて減少した。被害者のうち160万人が、損失額の約64%を取り戻すことができたという。
ユーザーの11%はウイルス対策、スパイウェア対策などのセキュリティ対策ソフトを使っておらず、「無料のものだけ利用する」というユーザーも45%に上った。
フィッシング詐欺メールに使われるブランドはPayPalとeBayが引き続き最多だったが、グリーティングカードや慈善事業を装うなど手口は多様化している。
フィッシングやマルウェア攻撃は2009年まで増え続ける見通しで、コンシューマーのデスクトップに感染するマルウェアの最大30%は、広告ネットワークを利用して配信されると予想されている。
関連記事
- フィッシング詐欺でSalesforceの顧客リスト流出、偽メール出回る
Salesforce.comの従業員がフィッシング詐欺に引っかかって顧客リストを流出させた結果、顧客が詐欺メールの被害に遭っている。 - 「クリスマススパム」シーズンが早くも到来
友人からのeカードなどを装ってマルウェアに感染させようとするスパムが早くも出回っているという。 - カリフォルニアの山火事に便乗、eBayで不審オークションも
- eBay狙った詐欺メールが激減 ユーザー啓発が奏功
- 「eBay閉鎖」のデマを流すフィッシング詐欺
- フィッシングの標的、1位は PayPal
- 子猫の写真で感染、Storm Wormが手口切り替え
- マルウェア感染メールが増加、手口もさらに巧妙に――MessageLabs
- サイバー犯罪の損害は70億ドルに
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.