Sambaチーム、Microsoftからサーバプロトコル文書を入手
欧州委員会のMicrosoftに対するサーバ製品の情報公開命令により、同社はサーバプロトコルをSamba推進団体に開示する。
オープンソースサーバソフト「Samba」を推進する非営利団体Protocol Freedom Information Foundation(PFIF)は12月20日、Microsoftからサーバプロトコル文書を入手することで同社と合意したことを明らかにした。同文書は、Sambaなどのフリーソフトウェアに、Microsoft Windowsワークグループサーバ製品との完全な相互運用性を持たせるのに不可欠なもの。PFIFは、オープンソースに無料の法的サービスを提供する団体Software Freedom Law Center(SFLC)が設立した。
欧州委員会は2004年3月24日、Microsoftの独禁法違反を認定、サーバ製品の情報公開を命じた。同社はこれを不服として控訴したが、欧州第一審裁判所は2007年9月17日、欧州委員会のこれらの判断と措置を支持する判決を下した。今回MicrosoftがPFIFにプロトコル文書を提供することに同意したのは、この判決を踏まえたものだ。
PFIFはMicrosoftに1万ユーロ支払い、欧州委員会の決定により情報公開が定められたワークグループサーバプロトコルを実装するための文書を、ほかには開示しない条件でSambaチームに公開する。文書そのものは、PFIFとSambaチームのエンジニアだけが保持するが、Microsoftとの合意ではこれらのプロトコル実装のためのソースコードについては公開が認められている。
また今回の合意に基づき、Microsoftにはサーバプロトコル実装に関連する特許番号の最新リストを常時公開し、プロトコルの文書も常に最新のものを開示する義務が課せられた。
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