「龍が如く」焼きうどんは「男らしさ全開です」(1/2 ページ)
「龍が如く 大盛り 極み焼きうどん 見参!」――そんな長ったらしい名前のカップ麺が登場した。龍が如くの大ファンという開発者も「男らしさ全開」と自信満々だ。IT戦士軍団が実際に食べたレビュー付き。
「男らしさ全開です」――そう開発者が自信満々に語るのは、エースコックが2月11日に発売するカップめん「龍が如く 大盛り 極み焼きうどん 見参!」(210円)だ。
その名の通り、プレイステーション 3用ソフト「龍が如く 見参!」(3月6日発売予定)がテーマのカップめん。「主人公の生き様を表現した」といい、エースコック社員から選りすぐりの「龍が如く」ファンが集結。「主人公なら、どんなものを食べるだろうか」――スタッフは主人公になり切り、考え抜いて開発したという力の入れようだ。
男気あふれる生き様を表現
龍が如くは、シリーズ累計で170万本を売り上げたセガのアドベンチャーゲーム。これまでの作品は現代を舞台にしていたが、最新作の「見参!」は1605年の京都・祇園を舞台に、剣豪・宮本武蔵が「桐生一馬之介」という偽名を使い、徳川幕府の陰謀と戦う――という設定だ。
焼きうどんのポイントは、濃厚な味とコシの強いめん。主人公の男気あふれる生き様を表現したという。タレはしょうゆベースで、かつお節やポークの風味を加え、ゲームの舞台・京都の和のイメージを表現している。
主人公の必殺技「ヒートアクション」を意識し、唐辛子やガーリックを配合した「ヒートスパイス」も付けた。「主人公なら大盛りを食べるのでは」と考え、内容量は大盛りの170グラムだ。
選りすぐりの「龍が如く」ファンで開発
「龍が如くとコラボレーションしませんか」――そんな提案がエースコックに舞い込んだのは昨年9月。開発陣は色めき立った。
「絶対やりたいと思った。ゲームはあまりやらない方だが龍が如くは好きで、1、2ともに2回ずつクリアしていた。最新作の発売も楽しみにしていたんです」――商品コンセプトやパッケージデザインなどを担当した同社マーケティング部の植田浩介さんは振り返る。
マーケティング部では植田さん以外にも、龍が如くファンが2人立候補。3人で企画のコンペを行い、植田さんが勝ち残った。
「自分以外のメンバーも、龍が如くに思い入れがある人がいい」――植田さんは、めんやかやく、スープなどの担当者も立候補で集めたいと提案。開発スタッフ全員、選りすぐりの龍が如くファンで固めた。
「現実から逃げるな!」 だから焼きうどん
「龍が如くの世界観をカップめんで表現するにはどうしたら」――開発陣は悩んだ。
セガのスタッフから、ゲームにうどん屋が出てくると聞いていた。これをヒントに「みんなで主人公になり切り、主人公ならうどん屋でどんなメニューを食べるか真剣に話し合った」という。
その結果生まれたのが「濃厚」「強いコシ」「大盛り」「スパイシー」という商品コンセプトだ。
さらに、うどん屋の店主にもなりきって考えた結果、「焼きうどんにしよう」と決まった。焼きうどんは、ゲームの舞台である江戸時代にないはずだが……?
「龍が如くは『目の前の現実から逃げるな、絶対あきらめるな、その道を極めろ』――というメッセージを発信している作品。ゲームに登場する、その道を極めたうどん屋の店主なら焼きうどんを出すはずです」
商品名の「極み」には、うどん屋の店主が開発した究極のメニューという意味を込めた。
汁なしの焼きうどんは、マーケティングの面でもぴったり。発売する2月は、カップラーメンなど汁もの商品の売り上げが減り始め、焼きそばなど汁なし商品が売れ始める時期だからだ。
「主人公にも食べてほしくて」ゲームに登場
焼きうどんは、うどん屋の店主が開発したメニューという設定でゲームにも登場する。植田さんらがセガに提案して実現した。
「主人公にも焼きうどんを食べてほしくて。ゲームはほぼ完成していたらしいのですが、だめもとでセガにお願いしてみたら、OKだったんです」
龍が如くシリーズにはこれまで、缶コーヒー「ボス」(サントリー)やドン・キホーテの店舗などが登場している。「ゲームをやりながら、エースコックの商品も出せたら面白いとずっと思っていた」。そんな夢が実現した。
焼きうどんで龍が如くを知ってほしい
パッケージは「龍が如く」の文字を大きく目立たせた。「まずは龍が如くファンに買ってほしい。龍が如くを知らない人にも、焼きうどんをきっかけに知ってほしい」
ターゲットは「20〜40代の日々の食生活に飽いた男性カップメンユーザー」。龍が如く発売当時のキャッチコピー「ゲームに飽いた大人に、ゲームを愛する大人に贈る最高のエンターテインメント」をもじった。「龍が如くファンならきっと気づいてくれると思う」
価格は210円。エースコックの「スーパーカップ 大盛りいか焼そば」(190円)などと比べると少し高めだが「龍が如くに対するこだわりをいっぱい詰めたので……」
驚きを与えたい
カップめん市場は成熟期。「即席めん業界では、カップめんやノンフライめんが初めて登場した時のようなイノベーションがここ数年起こっておらず、常に新しい切り口を探している」という。
有名ラーメン店の味を再現したカップめんなど、いわゆる「コラボ商品」も多いが、極み焼きうどんの新しさは「ゲームに登場するバーチャルな焼きうどんをカップめんで表現した」ことだという。
「龍が如くのプロデューサー・名越稔洋さんは『龍が如くでユーザーに驚きを与えたかった』と話していて、その言葉に感銘を受けた。極み焼きうどんも、食べる人に驚きを与えたい」
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