米ジョージア工科大学は2月13日、身体の動きに反応して発電、携帯電話などの携帯機器を充電可能な繊維を開発中であることを明らかにした。
研究者らは、酸化亜鉛ナノワイヤで覆った2本の繊維を用いて、電流を発生させる方法を開発した。振動や圧力などの力が加わると電圧が発生し、また逆に電圧が加えられると伸縮する「ピエゾ素子」効果を利用する。この繊維をシャツやジャケットに編み込めば、着用した人間の動きによって発電し、携帯機器を充電できるという仕組みだ。カーテンやテントなど風で動くもの、音の振動で動くものにも応用可能という。
酸化亜鉛ナノワイヤで覆われた繊維は、数十億の細かい「毛」が立ったブラシ状になっており、そのブラシが互いに触れ合うと、ピエゾ素子半導体がその動きを電気エネルギーに変換する。現段階では、長さ1センチの2本の繊維で、約4ナノアンペアの電流、約4ミリボルトの電圧が測定できたという。さらにデザインを改良すれば、この繊維から作った布1平方メートル当たりで、最高80ミリワットを発電可能になるとの予測を立てている。
最大の難関は、特殊繊維で作ったシャツの洗濯だ。酸化亜鉛は湿り気に弱いため、洗濯機で洗っても効果が薄れないよう、繊維を保護する必要があるという。
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