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共用ネットをオンデマンドで専用線化 NIIが実験に成功
NIIは、「SINET3」上にオンデマンドで専用線を割り当てることに成功した。専用線で大容量データを転送し、使い終われば共用回線に戻すといったことが可能だ。
国立情報学研究所(NII)はこのほど、実運用されているネットワーク上で、ユーザーの要求に応じて瞬時に専用線(レイヤ1パス)を割り当てることに世界で初めて成功したと発表した。通常は共用しているネットワーク上で、大容量データを転送する際に専用線を設定し、使い終われば共用回線に戻す――といった運用が可能になる。
NIIが運用している、国内の大学や研究機関向けの学術情報ネットワーク「SINET3」上で、北海道大学とNIIの間に1.8Gbpsの専用線を設定。無圧縮のHDTV映像の伝送に成功した。通信の遅延や揺らぎもなかったという。
接続先や利用時間、帯域を指定し、専用線を割り当てる。IP/Ethernet用の帯域をパケットロスなしで変更するLCAS(Link Capacity Adjustment Scheme)技術や、臨時の専用線を設定するGMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)技術、経路の予約や計算、設定指示を行うオンデマンドサーバを組み合わせて実現した。
スーパーコンピュータ同士を結んで超高速コンピュータを構成したり、遠隔地の電波望遠鏡同士を結んで観測精度を高めたり、映像を遅延なく伝送して遠隔医療に役立てる――といったことが、専用線設置工事不要でできるとしている。
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