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IBM、「原子1個の移動に必要な力」の測定に成功
移動に必要な力は、その原子が置かれた表面の材質に大きく左右されるため、この測定技術は原子スケールの半導体設計などに役立つとしている。
米IBMは2月21日、個々の原子の移動に必要な力の測定に初めて成功したと発表した。独レーゲンスブルク大学との共同研究によるもので、この測定技術がナノテクノロジーのほか、半導体やストレージが将来原子スケールにまで微小化した際に役立つと期待している。
同じ原子でも、移動に必要な力は、その原子が置かれた表面の材質によって大きく変わるという。コバルト原子の場合、滑らかなプラチナの表面上で原子を動かすには210ピコニュートンの力が必要だが、銅の表面では17ピコニュートンの力で動かすことができる。
通常の建築などと同様、ナノテクノロジーの世界でも、しっかりとした構造体を作るには「粘性の高い」原子を活用し、動かしたい部分には、化学的な結合力の弱い原子を活用することになる。このため、特定の物質の表面上で、ある原子を動かすために必要な力を測定することは、微小な構造体の設計や構築を行う際の鍵となるという。
この研究では、原子の移動に必要な力の強さや向きの測定に、原子間力顕微鏡(AFM)を使用した。研究を説明した動画は、YouTubeに掲載されている。
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