米国の医師5団体、電子処方せん促進プログラムを立ち上げ
現在手書きしたり、ファクスで送信したりしている処方せんをすべて電子化すれば、年間88億ドル相当の関連費用を削減できるとしている。
米国の医師が所属する主要5団体が3月4日、全米の医師が患者の処方せんを薬局へオンラインで発注する「e-prescribing」を推進するプログラムを立ち上げた。手書きしたものを患者に渡したりファクスで薬局に送信する従来の方法で発生しがちな記入ミスを減らし、手間とコストを省けるオンライン発注へと全米規模で変えていくのが目標。
5つの医師団体、American Academy of Family Physicians(AAFP)、American Academy of Pediatrics (AAP)、American College of Cardiology(ACC)、American College of Obstetricians and Gynecologists(ACOG)、Medical Group Management Association(MGMA)が発起人となり、オンラインポータル「GetRxConnected.com」を新設。医師は画面の指示に従って入力するだけで、処方せんのオンライン発注を行うことができるようになる。
米国立科学アカデミー医学研究所は、米国内で処方されるすべての薬の処方せんの発注を、2010年までにオンラインへ移行すべきという目標を設定している。MGMAの調べによると、現在処方せん発注に掛かっている費用は、医師1人当たり年間約1万5700ドル。これを病院勤務の医師56万3000人で単純計算すると、処方せん発注をすべて電子化すれば、最高88億ドルが削減できることになる。また通信費や紙代が節約できるだけでなく、記入ミスなども防止できる。
調査によると、2008年には1億以上の処方せんが電子的に発注されると予測されているが、それでも全体のわずか7%にすぎない。
しかし米政府の新規制により、「Medicare Part D」プログラムを利用する患者の処方せんについては、2009年1月1日から完全に電子化することが医師や薬局に対し義務付けられている。GetRxConnected.comは、医師と薬局の処方せん電子化を支援する。
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