米Hewlett-Packard(HP)は3月6日、同社の先端研究機関である「HP Labs」の組織および研究内容を見直し、研究成果のより迅速な製品化に力を注ぐことを明らかにした。
世界7カ所23研究所で構成されるHP Labsを率いるのは、昨年8月にディレクターに就任したプリス・バナージー氏。今後は従来のように小規模な150件のプロジェクトに取り組むのではなく、20〜30件の大型プロジェクトに絞り込んでいくという。絞り込みに際しては、大学、企業、顧客、ベンチャーキャピタルとの協力関係から得られたアイディアなどを参考にする。
HP Labsが当面の取り組みを決定しているのは以下の5分野。
- 情報爆発:爆発的に増加する情報から適切な情報を抜き出し、分析し、個人や企業に提供する
- ダイナミッククラウドサービス:個人の所在地、好み、所属するコミュニティーなどをベースに、パーソナライズが可能なWebプラットフォームとクラウドサービスの開発
- コンテンツ変換:アナログコンテンツからデジタルコンテンツへ、あるデバイスから別のデバイスへといったコンテンツの変換
- 知的インフラ:個人と企業にリッチで動的なコンテンツとサービスを提供する、より安全かつ優秀なネットワーク、アーキテクチャ、デバイスの設計開発
- サステナビリティ(持続可能性):環境に優しく、二酸化炭素排出量の少ない技術、ITインフラ、ビジネスモデルの創出
またHPは、オープンな技術改革を推進する3つのイニシアチブを発表した。
第1として、HP Labsから生まれた開発初期段階にある研究の一部を紹介するサイト「HP IdeaLab」を新設した。新サイトでは消費者や開発者コミュニティーからのフィードバックを受け付け、Webフォーラムでは活発な論議も行う予定。まず6件のプロジェクトを紹介している。
第2に、HP Labsと大学、政府、企業とのコラボレーションを担当する「Open Innovation Office」を設置、共同開発を支援していく。併せてベンチャーキャピタルなどにHP Labsの研究内容を公開するEntrepreneur in Residence Programも導入する予定という。
第3に、研究成果をより迅速に市場投入するための「Technology Transfer Office」を開設。製品開発やライセンス供与を担当する。
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