米Google、Yahoo!、MSNなどがユーザーのネット上の行動に関するデータを使って広告をカスタマイズしたり、個人の関心に合わせたコンテンツを表示することに対し、米国人の約60%が不快感を持っていることが、Harris Interactiveの調査で分かった。
プライバシーとセキュリティ向上のために可能な4つの奨励策を示された後でさえ、回答者はWebサイトが個人情報を利用することについて「ある程度安心した」にすぎなかった。奨励策は、米連邦取引委員会(FTC)が最近発行したネット行動ターゲティング広告のための自主規制原則を基にしている。
Harris Interactiveの調査にかかわったコロンビア大学法学教授のアラン・F・ウェスティン氏は発表文の中で、FTCが提案したポリシーについての反応が鈍かったのは、2つの可能性がネックになっているかもしれないと指摘する。企業が実際に自主規制に従うだろうかという不安と、もし従ったとしても政府が強制する仕組みがないという不安だ。
「カスタマイズあるいは行動マーケティングを追求するWebサイトは、広告収入によって、メールや検索サービスの無償化、自分の興味と無関係な広告を受け取る機会の減少などがもたらされるとし、これは大多数のネット利用者にとって納得できる代償のはずだと主張している。アンケートではこの考え方について説明したが、現在のネットユーザーの59%はそれを受け入れなかった」とウェスティン氏は話す。
調査によると、エコブーマーと呼ばれる若者(18〜31歳)とジェネレーションX(32〜43歳)の方が、ベビーブーマー世代(44〜62歳)と高齢者(63歳以上)に比べてWebサイトのコンテンツカスタマイズに対する許容度は高かった。
FTCのプライバシー向上策を提示された後は、どの世代でも安心感が高まり、エコブーマーは49%から62%へ、ジェネレーションXは45%から56%へ、ベビーブーマーは34%から52%へと各世代で半数を超えた。
高齢世代だけはWebサイトの広告とコンテンツカスタマイズに対する不快感が根強かったが、それでも支持派は31%から46%に増えた。
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