ニュース
「ダビング10」延期濃厚 Dpa「対応を協議中」
デジタル放送番組の新録画ルール「ダビング10」の開始が、予定の6月2日から延期される可能性が濃厚に。デジタル放送推進協会(Dpa)は「対応を協議中」としている。
デジタル放送番組の新録画ルール「ダビング10」の開始が、予定していた6月2日から延期される可能性が濃厚になってきた。開始に向けて準備を進めていたデジタル放送推進協会(Dpa)は「対応を協議中」としている。
ダビング10は、「コピー9回+ムーブ1回」を認める新録画ルール。録画したものを複製できない現行の「コピーワンス」に代わるルールとして提案されていた。
だが、著作権者団体などが「私的録音録画補償金制度が維持されない限り、ダビング10は受け入れられない」と主張。5月8日の文化審議会著作権分科会(文化庁長官の諮問機関)の会合で、補償金制度の撤廃を求めていた電子情報技術産業協会(JEITA)などメーカー側と意見が折り合わなかった(関連記事:文化庁「iPod課金=補償金拡大ではない」 JEITAと対立)。
5月13日に行われた情報通信審議会(総務大臣の諮問機関)でも、ダビング10の開始について著作権者側とメーカー側の委員間で合意形成できず、予定通りの開始が難しい情勢となった。
Dpaは「ダビング10を6月2日にスタートする」と発表していたが、「予定通りの開始が難しくなっており、対応を協議中。対応が決まればWebサイトなどで公表する」としている。
関連記事
- 「ダビング10」は6月2日に開始
デジタル放送番組のコピー9回+ムーブ1回を認める新録画ルール「ダビング10」の運用が、6月2日午前4時に始まる。 - 文化庁「iPod課金=補償金拡大ではない」 JEITAと対立
iPodやHDDレコーダーなどへの課金を含む、録音録画補償金制度の改定案を文化庁が提示した。JEITAなどメーカー側は「補償金制度の拡大に向かっているようにしか見えない」と指摘。文化庁は「誤解だ」と反論した。 - 「JEITAの変化を高く評価」と権利者団体 HDDレコーダーやiPodへ補償金課金目指す
「ダビング10」実施を前にJEITAが、補償金制度維持に前向きとも取れる発言をした。権利者はこれを歓迎。補償金の課金対象に、HDDレコーダーやiPodなどを含めるよう求めていく。 - 「DRMあれば録音録画補償金は不要では」――JEITAが立場を説明
JEITAが録音録画補償金制度に反対する立場を改めて表明した。「DRMがあるのに補償金まで取られるのはおかしい」などと主張。一般ユーザーを巻き込み、国民的な議論に盛り上げていきたいという。 - 「iPod課金」は「文化を守るため」――権利者団体が「Culture First」発表
87の権利者団体が「Culture First」の理念を発表した。「文化が経済至上主義の犠牲になっている」とし、私的録音録画補償金の堅持に加え、対象をiPodやPC、携帯電話などに拡大すべきと訴えている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.