「ネットの発展損なう」 MIAU、「青少年ネット規制法」成立に「廃止を含めた検討を」
「ネットの発展を損なう可能性が拭えない。廃止を含めた検討が行われるよう、今後も注視していく」――MIAUが青少年ネット規制法の成立を受け、コメントを発表した。
MIAU(Movements for Internet Active Users:インターネット先進ユーザーの会)はこのほど、いわゆる「青少年ネット規制法」が成立したことを受け、「インターネットの創造的な発展を大きく損なう可能性が拭えない。廃止を含めた検討が行われるよう、今後も注視していく」とするコメントを発表した。
青少年ネット規制法は、犯罪や自殺を誘引したり、著しく性欲を興奮させる情報などを「有害情報」として例示し、こうした情報を青少年が閲覧する機会を少なくするため、フィルタリングサービスの普及を促している。
MIAUは「表現の自由、成人および青少年の知る権利、私生活上の自由、家庭の自治などを侵害する恐れがある」と指摘。法案が国会提出から短時間の審議で成立したことに対しては「政策決定の透明性に大きな問題があったと言わざるをえない」と批判した。
ただ、「条文や付帯決議、答弁などによれば、関係者の努力によって、MIAUや多くのネットユーザーが懸念を表明していた問題のいくつかは払拭され、最悪の事態は回避された」とした。
同法は3年以内の見直しを定めているが「見直しにあたっては、国民が十分な言論を尽くした上で、廃止を含めた法律の是非や内容の検討が慎重に行われるよう、注視していく」としている。
今後MIAUは、青少年への教育や啓蒙活動など具体的な対策を充実させていくという。「危険なものを全て包み隠してしまうのではなく、何か危険かを教えていくことが危険への対処として妥当」としている。
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