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「JEITAの見解は独善的」――補償金めぐり権利者側が再び公開質問
録音録画補償金をめぐり、権利者側がJEITAに公開質問状を送った。「iPodやHDDレコーダーに補償金を課金すべきでない」とするJEITAに対して「独善的で、国民に誤解を与える」と批判している。
iPodやHDDレコーダーに補償金を課金すべきでないとする電子情報技術産業協会(JEITA)の見解を受け、権利者側の89団体は6月16日、JEITAに対して公開質問状を送ったと発表した。
質問状を送ったのは、日本音楽著作権協会(JASRAC)など28団体が参加するデジタル私的録画問題に関する権利者会議と、日本芸能実演カ団体協議間に加盟する61団体。
JEITAの見解について「長年にわたる私的録音録画小委員会での議論を無視するような見解。著作権法の趣旨を曲解した独善的な意見であり、国民に誤解を与えるものと言わざるを得ない」と批判。「JEITAの見解の真意をただす」として、8項目の質問に回答するよう求めている。
質問は、JEITAが発表した見解をベースにその理由を問いただすもので、(1)「iPodやHDDレコーダーへ補償金を課すことは、補償金制度の趣旨に照らし合理性はなく、消費者に不合理な負担を強いるものであるため、受け入れられない」と主張している根拠は、(2)文化庁案で、補償金制度の縮小・廃止の方向性が見えないとする理由は――といった内容。6月23日までに回答するよう求めている。
権利者側はJEITAの回答を受け、6月24日に記者会見を開く予定だ。
権利者側は昨年11月にもJEITAに質問状を送っているが、まだ回答が得られていないという。
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