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携帯電話利用に健康リスクの可能性――ピッツバーグ大学がん研究所が警告
子どもには携帯電話を緊急時以外利用させない、成人が利用する場合でも身体からできるだけ離して使用するなど、具体的な10カ条のアドバイスが発表された。
米ピッツバーグ大学がん研究所は7月23日、携帯電話の長期にわたる頻繁な利用が、身体に有害な影響を与える可能性があるとの勧告を発表した。
病理学者、がん専門医、公衆衛生専門家らから構成される国際的な委員会はこのほど、携帯電話の使用で発生する電磁場を、健康にリスクを与える可能性があるものとして考慮すべきとの見解を発表した。また現在までに、フランス、ドイツ、インドを含む各国の専門家が、電磁場に接触する機会を制限すべきとの提案をしている。
ピッツバーグ大学が提唱する10カ条の勧告の概要は以下のとおり。
- 児童には緊急時以外携帯電話を使用させない。胎児や児童の発達中の器官は、電磁場に影響を受ける可能性が高い
- 携帯電話を使う際、できるだけ身体から離して使う。スピーカーフォンやBluetoothヘッドセットを使えば、磁場の影響は100分の1以下となる
- 他人を電磁場にさらさないよう、公共の場での使用を避ける
- 常に身体に接触した状態で持ち歩かない。枕の下や枕元に置かない
- 持ち歩くときはキーパッド部分を身体側に向け、背面を外にする
- 携帯電話で長話をしない
- 通話の際、携帯電話を当てる側を定期的に切り替える。相手が電話を取るまで耳から遠ざけておく
- 電波が弱い場所、また車や電車での移動時には使わない。携帯端末が繰り返し新しいアンテナに接続しようとするため、電磁場が強くなる
- 通話よりテキストメッセージやメールを使う
- SAR値(Specific Absorption Rate。人体に吸収される電磁波の量を表す値)の低い携帯端末を選ぶ
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