モバゲーの売上高、四半期ベースで初の減少 アバター購入者数減で
急成長が続いていた「モバゲータウン」の売上高が四半期ベースで初めて減少した。アバター購入者が減ったことが主な要因だ。
ディー・エヌ・エー(DeNA)が7月28日に発表した2008年4月〜6月期連結決算によると、ゲーム&SNSサイト「モバゲータウン」の売上高が四半期ベースで初めて減少した。アバター販売が減ったことなどが要因で、アバター需要の喚起策などを検討する。
全体の売上高は90億900万円(前年同期比61%増)で、前四半期(08年1月〜3月)より4%減少した。営業利益は42億7000万円(前年同期比109%増)、経常利益は43億3700万円(108%増)、純利益は23億9500万円(134%増)。前四半期比では営業利益と経常利益がともに7%増、純利益は5%増だった。
アバターの購入者が減少、PVも減少傾向
主力のモバゲータウンの売上高は前四半期から4%減り、49億4200万円だった。前年同期のほぼ2倍に成長したものの、四半期ベースでは開設以来初めてマイナスに転じた。タイアップ広告や純広告などの売り上げは好調だが、仮想通過「モバゴールド」を使ったアバター購入が減ったほか、アフィリエイト広告からの収入も減った。
アバターの購入者は前四半期より7%減。特に10代のアバター購入者が減っているという。理由は(1)無料(モバゴールド不要で手に入る)アバターの配布過多、(2)アバターの利用シーンや、アバターそのものの新規性が不足していること、(3)モバゲーの監視体制強化など、サイトの健全性維持のための施策によって10代コミュニティーの活動レベルが低下したこと――などを挙げた。
南場社長は「今後は無料アバターの配布量を適正化する。夏から年末にかけ、新規性のあるアバターを順次投入する。アバターの利用シーンを拡大し、アバター需要を喚起していく」と話した。
アバター購入に利用するモバゴールドは、同社が運営する携帯サイト向けアフィリエイトネットワーク「ポケットアフィリエイト」の広告をクリックすることなどで得られるが、アバター需要の低下でポケットアフィリエイトの売り上げも低下。前四半期より11%減り、22億3700万円(前年同期比10%増)だった。
モバゲータウンの6月のページビューは149億1700万で、4月から減少傾向にある。「季節要因もあるが、テレビCMをほとんどやらなかったことや、サイトの健全性維持のための施策によって10代コミュニティーの利用が減少したことも理由」という。
モバゲータウンの会員数は4月に1000万を突破し、6月末時点では1078万まで増えた。今後、テレビCMなど大規模な広告宣伝活動を再開し、主に20代以上の新規ユーザーの獲得を目指すとしている。
オークションサイト「モバオク」の売上高は前年同期比21%増の8億8100万円、ECサイト「モバコレ」の売上高は44%増の4億6300万円、PC向けオークション&ショッピングモール「ビッダーズ」の売上高は20%増の11億9200万円となっている。
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