楽天の決済機能を他社サイトに 「楽天安心支払いサービス」
楽天会員向けの決済機能を他社サイトに提供する「楽天あんしん支払いサービス」が始まった。他社サイトも巻き込んだ楽天「“準”経済圏」を構築する狙いだ。
楽天は10月6日、他社のECサイトに楽天会員向け決済機能を提供する「楽天あんしん支払いサービス」を始めた。ユーザーは対応サイトで楽天のIDを使い、楽天に登録したクレジットカードで購入代金を支払える。まずUSENの音楽配信サイト「OnGen」(USEN)など4サイトが対応した。
対応サイトは「楽天お支払いボタン」を設置。クリックすると楽天側のページに移動し、楽天のID、パスワードでログインしてカード決済する仕組みだ。対応サイトは、同サービスを通じて得た売り上げの数%を楽天に支払う。
対応サイトは約4200万人の楽天会員を顧客に見込めるメリットがあり、ユーザーは、楽天にカードを登録していれば、対応サイトで買い物する際にカード番号を入力する手間が省けるほか、楽天スーパーポイントをためたり、ポイントを支払いに使うことも可能。カード番号は外部サイトには伝わらない仕組みで、安全に決済できるとしている。
まずは物品の配送を伴わないデジタルコンテンツの販売サイト向けに提供していく方針。同日、OnGenのほかソフト・オン・デマンドのアダルト動画配信サイトなど4サイトが導入した。来年3月からは、物品の配送が必要なECサイトにも導入できるようにする。
対応サイトには、受注や売り上げなどを管理するページも提供するほか、楽天IDでログインする機能を付けることも可能だ。導入の申し込みは専用サイトで受け付け、審査に通ると6〜8週間で導入できる。
共通の決済プラットフォームで楽天のサービスをつないだ「楽天経済圏」を拡大し、他社サイトも巻き込んだ楽天「“準”経済圏”」を構築する狙い。楽天の和田圭常務執行役員は「自社媒体以外のサイトで、収益を上げられるようにしていく」と述べる。
ヤフーの「Yahoo!ウォレット」など他社も同様のサービスを提供しており「スタートは遅れている」と認める一方、楽天会員は、転換率(アクセス数に対し商品が売れる確率)が高いといった特徴があるとし、「会員の価値はほかよりも高い。差別化して事業展開できる」と和田執行役員は自信を見せた。
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