キャラとの会話で欲しい情報が集まってくる──携帯サイト「CLON」に新機能
自分の分身「クロン」との会話を楽しむ携帯サイトに、ユーザーの興味を推測し、最適なコラムを紹介する機能が加わった。サービスを受動的に利用していても最適な情報が得られる“プッシュ型メディア”を目指す。
ネットベンチャーのCLON Labは10月7日、自分の分身との会話を楽しむ携帯電話向けサイト「CLON」に、会話に登場したキーワードから興味・関心を推測し、最適なコラムを表示する「対話エージェント機能」を追加した。サービスを受動的に利用していても、ユーザーに最適な情報を提供できる“プッシュ型メディア”を目指すとしている。
CLONは、ユーザー登録すると、マイページ「クロンルーム」で人型のキャラクター「クロン」と会話できるというサービス。「今日は何食べた?」などとクロンからの質問が表示された場合、「カレー」とテキスト入力で答えると、「やっぱりカレーは超辛ぇ」などと返事をする。
お題に対してひとことコメントを投稿する掲示板や、ほかのユーザーと相性診断したり、友達登録する機能などもある。今年4月にサービスを開始し、9月の月間ページビューは約300万、ユニークユーザーは約7万。
追加した新機能では、クロンとの会話でユーザーが使ったキーワードを分析し、興味・関心がありそうな分野を推測。関連があるコラムを紹介してくれる。「好きな食べ物は?」という質問に「バナナ」と答え、「今興味あることは?」という質問には「ダイエット」と答えたユーザーには、バナナダイエットに関するコラムを表示するといった具合だ。
ブログウォッチャーが開発した「嗜好学習型レコメンドエンジン」を活用している。コラムはオールアバウトが提供する。9月末に先行してテストしたところ、新機能を導入した場合のコラムの閲覧率は68.1%で、導入しない場合の2倍以上に上ったという。
同社の中山小百合社長は「携帯検索では、スピーディーに情報を探せなかったり、複数の情報を比較しづらいなど、求める情報にたどり着くには知識や技術が必要」と見る。CLONは、受動的にサービスを利用しているだけでも、ユーザーが最適な情報を収集できるプッシュ型メディアを目指す。
「CLONは携帯電話の“情報のコンシェルジュ”になることが目標。ユーザーの潜在的なニーズを吸い上げ、新しい気づきを提供するサービスの確立を目指す」(中山社長)
CLONの収益化は来年から。会話途中にユーザーが興味のある分野の広告を表示したり、CLONのシステムを他社にASP方式で提供するといったビジネスモデルを予定している。有料コンテンツの配信も検討している。
同社顧問でデジタルハリウッド大学の渡邉英徳客員教授は「ホテルのコンシェルジュや美容師は客をもてなしながら、客が必要な情報を見抜いて教えたり勧めたりしてくれる」として、CLONも「そっと気をきかせて」情報提供するサービスを目指している。
CLONの9月末までの累計ユニークユーザー数は94万で、来年4月までには400万人に増やしたいという。中山社長は「コアターゲットは25歳。mixiからもユーザーをうまくリプレースして使ってもらいたい。受動的に情報収集できるCLONのシステムは日本人に合っている」と話している。
関連記事
- CLON Lab、第三者割当増資を実施――資本金1億4000万円調達
- 会話でケータイの中の分身が進化する――「CLON」ってなんだ?(前編)
会話を重ねるごとに、ケータイの中の分身が進化する――。こんなコミュニケーションサービス「CLON」を提供するのがCLON Labだ。毎日異なる分身からの質問にユーザーが答えることで趣味嗜好が蓄積され、CLON Labではそれに応じた情報や広告を配信するビジネスモデルの構築を目指す。 - なぜ、“分身との会話”なのか――「CLON」のビジネスモデル(後編)
“ケータイに住む分身”とのコミュニケーションを楽しむ「CLON」。そのビジネスモデルの核となるのが、“会話”だ。会話を通じて利用者の“旬な”趣味嗜好を把握することで、ユーザーニーズにマッチした情報の配信を目指す。 - もう1人の自分がケータイに――“分身”で楽しむコミュニケーションサービス「CLON」
ケータイの中に住む分身がユーザーとのコミュニケーションで成長し、話し相手やアドバイザーになってくれる――。こんな携帯を使ったコミュニケーションサービスとして登場したのが「CLON」だ。分身となるクロンは語感分析に基づいて生成され、他のクロンとの相性診断や交流も楽しめる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.