東京ゲームショウ開幕 携帯型さらに存在感、“次世代機”やっと船出か:東京ゲームショウ2008
今年のゲームショウは「DS」「PSP」タイトルが増え、特にPSPの存在感が増した。Xbox 360やPS3のタイトルも増えており、Wii以外の“次世代機”の船出も感じさせる。
「東京ゲームショウ2008」が10月9日、千葉県・幕張メッセで開幕した。今年もハード新作など大きな発表はなく、展示はソフト中心。最も多かったのは「ニンテンドーDS」向けソフトだったが、「プレイステーション・ポータブル」(PSP)、「プレイステーション 3」(PS3)、「Xbox 360」の出展タイトル数も増えており、Wii以外の“次世代機”の船出も感じさせる。
TGSは昨年から会期が1日延長され、9日から12日までの4日間。今年は209の企業や団体・学校が出展(昨年は217)し、出展小間数は1768小間(昨年は1735)と過去最多になった。出展タイトル総数は879(事前に届け出があった数)とこれも過去最多で、昨年の702を大きく上回った。
DSが最多出展、PSPタイトル急増
全出展タイトルのうち最大の割合を占めたプラットフォームはDSで、18.7%(昨年は17.1%)。対抗馬のPSPは7.8%とその半分以下だが、前年の2.6%を大きく上回った。PSPの新機種「PSP-3000」がプレイアブルで出展されており、各社のブースでもPSPタイトルがよく目に付いた。
「スターオーシャン4」など注目のタイトルをそろえたXbox 360の全タイトルに占める割合は、前年の4.9%から7.0%に向上。HDD容量倍・価格据え置きの新型がゲームショウで発表されたPS3は3.5%(前年は3.2%)で、初めて「プレイステーション 2」(PS2)用タイトルの割合(1.7%、前年は7.2%)を上回った。
Wii向けタイトルの割合は7.1%と前年(8.1%)よりやや減っている。体感ゲームが今年も数多く発表されており、Wiiでカラオケを楽しむゲームなど新機軸のゲームが注目を集めていた。
次世代機と呼ばれたXbox 360(2005年発売)、PS3(2006年発売)、Wii(2006年発売)がそろってから2年、DSとPSP発売から4年。WiiとDSが独走していた状況に、他プラットフォームがやっと割り込み始めた――と言えそうだ。
続編、マルチ展開――傾向変わらず
ここ数年続いていた「定番タイトルのシリーズ化・複線化・マルチ展開」という傾向は今年も変わらない。最も注目を集めていたのはカプコンの「モンスターハンター3」(Wii)で、ビジネスデーにも関わらず数時間待ちの行列ができていた。カプコンでは裁判所を模した「逆転検事」(ニンテンドーDS)の体験ブースも盛況だった。
「秘密ディスク」を配っていたレベルファイブのブースにも恒例となった大行列が。330インチの巨大なスクリーンを使い、新作ゲームや、PC・携帯電話向けゲームポータル「ROID」などを紹介していた。
モバゲー初出展 ケータイは「通信」で
携帯電話大手3キャリアでは、前年まで出ていたソフトバンクモバイルのブースがなく、NTTドコモとKDDI(au)のみ出展。全プラットフォームに占める携帯向けタイトル数の割合は、昨年の32.2%から18.0%に激減した。コンテンツ事業者としては、ディー・エヌ・エー(DeNA)が「モバゲータウン」で初出展している。
ドコモとauはそれぞれ、通信対戦機能を使ったゲームを実機でアピール。ドコモは複数のユーザーとリアルタイムで通信できる「iアプリオンライン」(今秋発売予定のFOMA最新モデルから搭載)を活用した「機動戦士ガンダムONLINE」や「みんなのGOLF モバイル3」など対戦ゲームを、auはBluetooth通信機能を使った対戦ゲームを数多く紹介していた。
モバゲータウンのブースでは、「レイトン教授と死鏡の館」「風来のシレンMOBA」「マスターオブエピック The Dungeon Age モバゲーエディション」など人気タイトル移植版をプレイアブルで出展し、無料でプレイできるとアピール。携帯電話の高機能化が進む中、人気・定番タイトルを携帯に移植するという流れはさらに加速しそうだ。
PC向けゲームタイトルの割合は22.7%から17.5%に減少。PCゲーム専門ブースでは、ドワンゴなどが運営する仮想空間「ai sp@ce」などに注目が集まっていたものの、全体的に閑散としていた。
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