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800本のゲームに捧げた青春 21歳、攻略サイト「GAYM」で起業(2/2 ページ)

「訳の分からない道に進むな」――そんな両親の反対を押し切り、大好きなゲームの攻略サイトで起業した21歳の青年がいる。

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ゲームし過ぎで痔に

 専門学校の授業はすでに知っている初歩的な内容で物足りなさを感じていた。入学して1年たったころ「これ以上学費が払えない」と親に言われ、休学することに。GAYMの運営に集中するようになった。

 休学してからは1週間に2〜3本のゲームを攻略した。PCをテレビの横に置き、ゲームをプレイしては、攻略法を書いてまとめる――という作業を繰り返す。座り続けていたことが原因で、痔になってしまったほど長時間プレイした。

 月間PVは1000万〜1500万を維持していた。売り上げからサーバ代などを引いても50〜100万円前後が手元に残り、生活に困らなかった。今年3月、とうとう専門学校を退学した。

上京、起業へ

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アイテムなども表にしてまとめる。攻略するよりも、攻略法をまとめる方が時間がかかるという

 5月下旬、ゲーム好きで、GAYMユーザーでもあるビ・ハイア清水有高社長に出会った。ビ・ハイアは、アニメ・漫画・ゲーム専門の求人サイト「ラクジョブ」を運営する企業だ(「もうからなくても、愛してるから」――オタク社長のアニメ・漫画・ゲーム求人サイト)。

 東京で清水社長に会い、起業に関する相談に乗ってもらった。それまでは起業に不安もあったが、「起業に踏み出そう」と決意できたという。清水社長に会ったその日に東京で家を探し、貯金から資本金150万円を準備し、6月に「GAYM株式会社」を設立した。上京を決めたのは、多くのゲーム企業が東京にあるからだ。

 清水社長の紹介で10月に初めてスクウェア・エニックスのゲームプロデューサーに会うこともできた。「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」シリーズは大好きなゲームの1つ。「オフィスの受け付けでスクエニのロゴを見ただけで、ぶっ倒れそうになった」

 清水社長が開催する交流会で出会った別のゲーム企業の社員には「うちのゲームもGAYMに載せてくれよ」と言ってもらえた。「ゲーム企業は攻略サイトを嫌な存在だと思っているんじゃないか」――こんな不安もあったため、とてもうれしかったという。

 社員としては現在、GAYMの運営を技術面でサポートするプログラマーを1人雇っている。社員ではないが、ゲーム攻略を手伝ってくれる仲間も10人ほどいる。

ドラクエ最新作では「PVで億単位目指します」

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GAYMはSNSも備えている

 多くの人が休みを取る年末は、ゲーム攻略サイトのアクセスが伸びる時期。年末商戦に向けて新作ゲームも続々と発売されるため忙しくなりそうだ。さらに来年3月に発売予定の「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」の攻略法を載せるときは「億単位のPVを狙いたい」と考えている。

 これまで攻略したゲームは、家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機向けのタイトルが中心だった。今後は、携帯電話向けゲームやオンラインゲームの情報を充実させていく。オンラインゲームは「アップデートされるため終わりがなく、攻略が大変」と考え、手を付けていなかったが、チャレンジするつもりだ。

 リピーターを増やすため、ユーザー同士がコミュニケーションできる機能を充実させていく。現在はSNS機能を備えているが、さらに強化する方針だ。ビジネス面では、バナー広告のほかに、ゲーム企業とのタイアップ記事を掲載するといったことを考えている。

 中学のときに夢見たゲームプログラマーにはならなかったが、「将来ゲームの監修もしてみたい」。ゲームをやり込んできたおかげで「人気の出そうなゲームは分かる」と胸を張っていた。

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