米Intelは12月7日、シリコンフォトニクスの研究で新たな成果を上げたことを明らかにした。今回の研究では、シリコンをベースとした光センサー「Avalanche Photodetector(APD)」を開発。これにより光学機器のコスト削減と性能向上が期待できるという。
シリコンフォトニクスは、PCやそのほかの電子機器間で、シリコンを利用した光情報の送受信を可能にする技術。同技術は、従来よりもはるかに高速なデータ通信を低コストで実現するため、遠隔医療や3D仮想世界など、大量のデータ処理が求められるアプリケーションに必要な帯域幅を供給できるとされる。
Intelが開発したAPDは、光がシリコンに入るとその光を探知し、弱い信号を増幅して高い感度を実現する光センサー。シリコンとCMOS製造技術を用い、増幅器の性能を比較する基準の1つであるGB積(ある周波数における増幅度と周波数をかけた値)で340GHzのを達成したという。
同社は今回の成果が、データ転送速度が40Gbpsの光リンクのコストを引き下げる第1歩となったとし、またシリコンフォトニクス機器が、リン化インジウムなど従来のより高額な光材料を用いた機器の性能を、初めて上回ったとしている。
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