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脳のメカニズムを情報通信に応用 NICTと阪大が共同研究

NICTと阪大が、人間の脳のメカニズムを応用した情報通信技術を共同研究するプロジェクトを始める。

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NICTの宮原秀夫理事長(左)と阪大の鷲田清一総長。プロジェクトの協定書の調印式を行った

 独立行政法人・情報通信研究機構(NICT)と大阪大学は1月7日、人間の脳の情報処理メカニズムを応用した情報通信技術を共同研究するプロジェクトを始めると発表した。大学生や大学院生を含め150〜200人ほどの研究者が集まり、阪大キャンパス内で研究を進める。

 脳は、膨大な数の神経組織が複雑に集まる人体を多様な環境で制御している。脳の機能を解明することで、輻輳(ふくそう)や遮断に強く、信頼性や拡張性に優れた新世代ネットワーク技術の確立を目指すとしている。

 脳の働きを応用することで、現在の情報通信技術では伝えきれない感情やイメージなどを伝えられる技術も確立したいという。例えば、寝ているときに見た夢を映像化したり、気分に合わせて部屋の明るさやBGMの音量を自動調節するといった技術だ。

 まずは今後3年をめどに、脳内の神経活動や化学物質代謝を直接計測できる世界最高水準の脳計測技術の確立を目指す。

 プロジェクトには、国際電気通信基礎技術研究所など、脳情報通信分野の研究機関も加わる。医学や工学分野の研究者にも積極的に参加を求めていく方針だ。

 NICTと阪大は2007年から情報通信分野の研究で連携してきた。阪大の鷲田清一総長はプロジェクトを通じて「人材の交流が一層促進することを期待している」と話す。

 NICT神戸研究所の大岩和弘所長は「いつでも、どこでも、誰にでも、心も伝える情報通信の実現を目指したい」と意気込む。NICTの宮原秀夫理事長は「人と人とのコミュニケーションがより活発になるような情報通信技術の確立を期待している」と述べた。

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