Google、「1回のGoogle検索で二酸化炭素7グラム排出」の論文に反論
1回のGoogle検索にやかんでお湯を沸かすエネルギーの半分が必要という論文に対し、Googleが反論している。
米Googleは1月11日、「Googleで1回検索すると、やかんでお湯を沸かす半分のエネルギーが必要で、二酸化炭素7グラムを排出している」という論文に対し、公式ブログで反論した。
この論文は、ハーバード大学の物理学者、アレックス・ウィスナー‐グロス氏が近日発表するもので、同日英Timesほか複数のメディアで紹介されている。
Googleによると、検索クエリによって所要時間に差があるが、Googleの一般的な検索にかかる時間は0.2秒以内。検索インデックスの作成など、検索開始以前の作業を含めても、1回当たりのエネルギー使用量は1時間当たり0.0003キロワット(キロジュール)だという。成人1人が必要とする1日の平均的なエネルギー量が8000キロジュールであることを考えると、Google検索に必要なエネルギー量は、人間が10秒間に消費する量と同程度ということになる。
温暖化ガスの排出量でみると、Google検索による二酸化炭素排出量は約0.2グラムだとしている。欧州連合(EU)の現在の排出ガス基準は、1キロ走行当たり140グラムだが、大半の自動車はこの基準を満たしていない。つまり、平均的な自動車は1キロ走行するのに、Google検索の1000倍もの二酸化炭素を排出している、とGoogleは指摘している。
同社は「世界一」エネルギー効率のいいデータセンターを設計・設置していると主張。2008年には同社の慈善団体Google.orgが、クリーンエネルギー開発に4500万ドルを投じたこと、同年夏には再生可能エネルギー開発専門事業部を社内に設けたことを説明。さらに2007年には「Climate Savers Computing Initiative」を共同設立し、2010年までにPCによるエネルギー消費量を半分に削減し、二酸化炭素排出量を年間540万トン削減する目標を立てていると主張している。
関連記事
- Google、データセンターの環境対策を説明
Googleは、同社のデータセンターはほかよりエネルギー効率が高いと主張しているが、懐疑的な意見もある。 - Google、クリーンエネルギー提案「Clean Energy 2030」を発表
Googleは、石炭、石油、天然ガスによる発電をクリーンエネルギーに置き換えることを提案している。 - Google.org、地熱利用のグリーンエネルギー開発に1000万ドル投資
Googleの慈善部門が、次世代地熱発電システムを開発する企業などに投資する。 - Google、フィランソロピーの取り組みを発表
Googleの慈善部門Google.orgが、今後5〜10年間の主な活動分野を発表。2500万ドル以上の助成金提供などを計画している。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.