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楽器はMacとiPhone リビングで打ち込む初音ミク曲なぜ作るか、どう作るか(2/3 ページ)

通勤の自転車でメロディーを思い付く。曲作りは、家族が集まるリビングで。楽器はiMacとiPhoneだけで十分という、ある「P」の日常。

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GarageBandでASCIIキーボードを鍵盤に

 まずはGarageBandでメロディーを作る方法から。MacのASCIIキーボードを鍵盤代わりに使う設定をすれば、「A」がドの音、「S」がレの音――というように、Macのキーボードを鍵盤のように演奏できる。演奏をそのまま録音すると、演奏した通りの楽譜ができていく。

 適当に打ち込んでは録音し、うまくいったところをだけを切り取り、組み合わせて曲にしていく。音やリズムがずれたら、録音後に微調整。マウスで音をドラッグしてずらすこともできるし、「クオンタイズ」という調整機能でずれを修正することも可能だ。調整と再生を繰り返し、納得いくまで作り直す。

 「音楽に興味はあるがメロディーが思い付かない、それでも何か作ってみたい」という記者のような人はどうすればいいのだろうか。聞いてみると「好きな曲の一部を変えてみればいい」と教えてくれた。

 メロディーが完成したら、次は伴奏だ。GarageBandに入っている「ループ」を使えば、マウスだけで簡単に“それっぽい”伴奏を作ることが可能だ。

 ループは、さまざまな楽器で演奏した音の繰り返しのこと。ドラムやベース、ピアノなど伴奏楽器を選んでループを聞き比べ、曲に合うものが見つかれば、ドラッグ&ドロップでどんどん重ねていく。楽器を重ね、メロディーと一緒に再生するたびに、だんだん音楽らしくなってくる。

 メロディーを「初音ミク」に歌わせる場合は、ParallelsかCrossOver Macで初音ミクを起動。テンポを設定し、マウスで音の高さや長さを指定してメロディーを打ち込んでいく。ワンフレーズ打ち込んでは再生して「あ」で歌わせ、響きを確かめては合う歌詞を考え、その場の思いつきで入れていく。

 そんな作業を繰り返し、歌が完成すると、ビブラートなどを微調整。WAVEファイルに書き出し、先にGarageBandで作った伴奏と重ね合わせてAIFFファイルにする。これで「Macだけで作る、初音ミクが歌う伴奏付き楽曲」ができ上がり。五線紙もペンも鍵盤もいらない。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

 伴奏は、GarageBandの代わりにiPhoneのギターアプリ「PocketGuitar」「Guitar」やドラムアプリ「SP-Drum01 ROCK」を演奏して使うこともある。平べったいiPhone画面を指でタッチするだけで、生演奏のようなリアルな音が出るアプリで、見ていてなんとも不思議だ。

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iPhoneのギターアプリ「PocketGuitar」

 iPhoneアプリの音は、ローランドのUSBキャプチャデバイス「UA-5」経由でPCで録音し、初音ミクの歌声と重ねる。iPhoneアプリの演奏は「GarageBandだけで仕上げるよりも早くできる」のが気に入っているという。

 作曲テーマは「拙速」で、常に新しいネタを仕入れては実践するのがモットーだ。1曲完成させるのにかかるのは半日程度だが、曲ができた数日後にいいフレーズやアレンジが思い浮かべば、時間をかけて完成させていくこともある。

動画の素材は「ピアプロ」で

 作った曲は当初、MP3化してブログで公開していたが、ニコ動で初音ミク曲がブームになっていると知り、動画にして投稿し始めた。

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ピアプロ

 楽曲で動画を作るには、映像が必要だ。当初はイラストレーターの奥さんにイラストを描いてもらっていたり、Flickrでクリエイティブ・コモンズライセンスで公開されている画像を使っていたが、最近は「ピアプロ」に公開されているイラストで事足りているという。

 ピアプロは、初音ミクなどVOCALOIDのイラストを、2次利用可能な形で投稿するサイトだ。松尾さんは、ミク曲ができると、その曲のイメージをキーワードで検索。イメージに合った画像がたいてい見つかるという。

 最近投稿した「虫歯の歌」の場合は、「虫歯 初音ミク」でピアプロを検索。初音ミクが虫歯に悩むイラストが見つかった。イラストをダウンロードし、掲示板に「使わせてもらいました」とコメントして、動画作りに入る。

 動画はMac付属ソフト「iMovie」のスライドショー機能を使って作成。イラストの始点と終点を決め、始点から終点に向かって視点移動していったり、ズームイン・ズームアウトしていくことで、1枚のイラストかある程度の長さの動画を作ることができるから、イラストは1〜2枚でも十分だ。

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