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NEC、営業赤字に システムLSI事業統合は「まず赤字脱出」

NECも赤字に転落へ。一部報道された東芝とのシステムLSI事業統合については「まず赤字から脱却しないと先はない」と慎重な姿勢だ。

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 NECは1月30日、2009年3月期(08年度)の連結営業損益が300億円の赤字になる見通しだと発表した。従来予想は1200億円の黒字だった。赤字転落を受け、不振に陥っている半導体事業などを中心に来年度末までに2万人の人員削減に踏み切るなどの構造改革に踏み切る。一部報道があった東芝とのシステムLSI事業統合について、矢野薫社長は「あらゆる可能性を検討するが、まず同事業の赤字脱出が必要」と慎重な姿勢を示した。

 修正後の予想売上高は4兆2000億円(前回予想から4000億円減)。業績へのインパクトは半導体子会社のNECエレクトロニクスと、債務超過に陥ったNECトーキンの分が大きく、IT/ネットワークソリューションと携帯電話端末、PCの市場縮小も打撃となった。純損益は2900億円の赤字になる見通しで、無配に転落する。

 NECエレクトロニクスの統合検討について、会見した矢野社長は「まず赤字脱却がなければその先はない。再編が赤字脱却になるならすぐにやるが、大きくなればいいというわけではなく、不況後に市場がどう変わるか、将来の戦略がなければならない」としたが、「将来のあらゆる可能性は否定しない」と含みを持たせた。

 人員削減に加え、事業構造改革も検討。選択と集中を進め、NECトーキンの電気自動車向け電池など環境・エネルギー事業を新領域として重点を置く一方、液晶関連事業は売却なども含めた将来を検討する。

携帯シェアは上昇、国内PCは採算点確保

 国内の携帯電話市場は07年度比3割減の3300〜3500万台程度にとどまると予測。同社の出荷計画も500万台に下方修正したが、前年度(480万台)比ではプラスを確保。市場シェアは14〜15%と、前年度の9%から大きく回復する見通しだ。

 来年度も厳しい市場環境を覚悟するが、矢野社長は「この市場でまずはやっていく。生き延びた先に世界市場を考えたい。日本の携帯は『ガラパゴス』などと呼ばれるが、間違った方向に進んでいるとは思っていない。今の市場で生きて行ければ、その先に世界市場が見えてくる」と話した。

 国内PC事業は企業向けが不振だが、個人向けは前年度比でプラスとなる見込みで、採算点は確保。だが応手UPC事業は損失が拡大しており、抜本的な対策を検討する。

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