初音ミク「白いクスリ」ニコ動に一時復活 「削除依頼に法的根拠なし」とニワンゴ
ニワンゴは、クリプトンからの削除依頼を受けて「ニコニコ動画」から削除していた、初音ミクが歌う「白いクスリ」の動画を復旧させた。「削除依頼に法的な根拠がないと判断した」ためという。
ニワンゴは8月17日、クリプトン・フューチャー・メディアからの削除依頼を受けて「ニコニコ動画」から削除していた、初音ミクが歌う「碧いうさぎ」の替え歌「白いクスリ」の動画を復旧させた。「削除依頼に法的な根拠がないと判断した」ためという。18日午前9時現在、動画は非表示設定になっていて閲覧できない。
白いクスリは、覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕された酒井法子容疑者の代表曲「碧いうさぎ」の替え歌をミクが歌う動画で、覚せい剤や酒井容疑者をほうふつとさせる歌詞。ニュースサイトなどに取り上げられて話題になり、10万回以上再生されていた。
初音ミク開発元クリプトンは、この動画がニュースを通じて広まることで、「当社製品を含む音声合成技術などのイメージが、実態と異なるかたちで一般に認知され定着するおそれがある」と判断。「当社の営業上の利益と信用が侵害されるおそれがある」とし、11日に削除依頼。同日、ニワンゴが削除したが、その後、削除依頼の是非についてネット上で議論になっていた(「碧いうさぎ」替え歌「白いクスリ」、削除申請の理由をクリプトンが説明)。
ニワンゴは17日、「改めて検討した結果、今回の削除依頼には法的な根拠がないと判断した」として動画を復旧させた。「第三者が『営業上の利益および信用が侵害されるおそれがある』とみなしたとしても、法的な根拠に乏しければ削除を行うべきではない」としている。
その上でニワンゴは、動画をアップロードしたユーザーに、ライセンス元から削除するよう警告が来たことを通知。「ユーザーさん御自身で動画を削除して頂くのが、円満な解決になるのではないかと考えています」としている。
関連記事
- 「碧いうさぎ」替え歌「白いクスリ」、削除申請の理由をクリプトンが説明
クリプトンは8月13日、「ニコニコ動画」に投稿されていた、初音ミクを使って作られた「碧いうさぎ」の替え歌「白いクスリ」を削除申請した理由について、ブログで説明した。 - 「初音ミク作品」騒動、ドワンゴとクリプトンが“和解”コメント
ドワンゴ・ミュージックとクリプトンが、一連の「初音ミク」騒動について“和解”し、共同でコメントを発表した。今後は「ネット時代に即応した音楽著作権の処理について、共同で検討していく」としている。 - クリプトン、「公序良俗に反する」ミク作品をニコ動から削除 判断基準も公開
クリプトンは、初音ミクを使って制作され、ニコニコ動画で公開された特定の作品が「公序良俗に反する内容だった」として削除を要請したと発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.