楽天は11月5日、電子マネー「Edy」を運営するビットワレットと資本提携し、電子マネー事業に本格参入すると発表した。ビットワレットは楽天が連結子会社化する。
今年末にビットワレットが第三者割当増資を実施し、楽天が約30億円を引き受ける形でビットワレット株式の過半数を取得する予定。楽天は取締役を1人派遣する。ビットワレットの現在の株主は、ソニーファイナンスインターナショナル(20.75%)、NTTドコモ(14.77%)、ソニー(12.76%)など。
両社は2007年12月、Edyと「楽天スーパーポイント」の連携などによる共同マーケティングの展開で業務提携した。楽天はイーバンク銀行を連結子会社化するなど決済ビジネスの強化を進めており、楽天の顧客基盤とEdyを組み合わせ、電子マネー事業を本格展開する。
ビットワレットは電子マネー運営の先駆けだが、09年3月期は経常収益45億円に対し純損益が57億円の赤字になるなど、厳しい経営状態が続いていた。
楽天は「ビットワレットの現在の筆頭株主でFeliCaを展開するソニーとソニーグループ、Edyパートナー各社と引き続き連携し、電子マネー事業の発展に向けて尽力する」としている。
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