目指せ“1億総キュレーター” 「NAVERまとめ」リニューアル、まとめた人に報酬も
NAVERまとめがリニューアルした。11月にはまとめページを作った人に報酬を支払う制度もスタート。まとめ作りを支援し、サイトを盛り上げる。
「1億総キュレーター時代へ」――ネイバージャパンは、お題に沿ったリンクや画像を集めて“まとめページ”を作る「NAVERまとめ」で、まとめを作る人を支援する取り組みを強化する。このほど、まとめ作成画面の操作性を改善し、まとめページをリニューアル。誰がまとめたか分かりやすいデザインにした。
まとめた人に報酬を支払う制度も11月にスタート。サービス自体は「まだマネタイズのフェースではない」ため、もうけ度外視で、まとめる人を支援する。「自分のセンスが誰かの役に立てば立つほど報酬が得られるようにしたい」と、同社の島村武志サービス企画室長は語る。
NAVERまとめは昨年7月にスタートし、月間ユニークユーザー580万人(6月時点)の人気サービスになっている。「会社で使えるガンダムセリフ集」「世界の高級スポーツカー」などさまざまなまとめが作られており、複数のユーザーで編集することも可能だ。
リニューアルでは、まとめページの作成画面でコンテンツの追加や削除、並べ替えを簡単にできるようにしたほか、コンテンツを探しやすくした。作成画面から直接アクセスできる検索エンジンは従来、NAVERのみだったが、新たにYouTubeやFlickr、Googleからも検索・追加できるようにした。
まとめページは、誰がまとめたかが目立つデザインに変更。右カラムにプロフィール情報を掲載したり、これまでに作成したまとめページやブログなどの外部サイトへリンクを張ったりすることができる。NAVERまとめでの活動情報をまとめた管理ページも新設した。
専用のHTMLタグをコピペするだけで、まとめページの内容を手軽にブログに張り付けられる機能も公開した。グループ会社のライブドアが運営する「livedoor Blog」の記事作成画面には、NAVERまとめボタンを新設。記事作成画面上でNAVERまとめを検索し、張り付け専用のタグを発行できる。
11月には、まとめを作った人に報酬を支払う制度をスタートする。まとめページに貼り付けた広告から得た収益は全額、まとめ作成者に還元。複数のユーザーで編集するまとめページの場合の広告収入は、まとめを作る人を支援するためのプログラムや社会貢献に使い、同社には一切収益が落ちない仕組みにするという。
テーマに沿ったコンテンツを整理して見せるNAVERまとめは「検索サービスのようなもの」で、「Googleが出す検索結果でGoogleが収益を得るように、個人が作ったまとめページから得た収益は個人に還元するのが自然」と、島村部長は話す。
リニューアルによって、まとめを作ってくれる人を支援。ネット上のコンテンツが爆発的に増える中、テーマに合った情報を収集、選別する目利きのような人「キュレーター」(本来は博物館などで作品や資料を整理する専門職を指す)を育てることで、NAVERまとめを盛り上げたいと考えている。
島村部長は「“1億総クリエイター時代”などと言われるが、コンテンツをゼロから作って発信するのは難しい」と指摘。NAVERは「“1億総キュレーター”」という発想で、「自分のセンスが誰かの役に立てば立つほど報酬が得られるようにしたい」と話す。
今後のソーシャルメディアは、ネット以外ですでに影響力のある人だけでなく「一般の個人がいかに収益を得られるかがポイント」(同社の舛田淳事業戦略室長)とみて、こうした個人が活躍できる場としてNAVERまとめを育てていく。
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