帝国データバンクによると、格安な薄型テレビの販売で知られるバイ・デザインが1月26日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。かつては低価格な薄型テレビで売り上げを伸ばしたが、大手メーカーによる価格競争の激化で販売が落ち込み、今年に入ってからは営業停止状態だったという。負債は2009年12月期で約14億5500万円。
2003年、Dell日本法人社長やアキア社長を務めた飯塚克美社長が設立。部品を外部から調達し、最終製品の生産を海外に委託する手法で安価にした薄型テレビを販売。薄型テレビブーム初期の波に乗り、05年12月期には売上高約54億6500万円、06年12月期には売上高75億円を計上していた。
だがその後、従業員が以前の勤務先である米国メーカーの機密情報を漏らしたとして提訴され、米国内での販売を中止。また大手メーカーの薄型テレビでも低価格化が進んだことで競争が激化。07年12月期の売上高は約61億円にとどまり、約5億円の最終赤字に陥った。
さらに、販売に特化するために製品輸入業務を委託したゼンテック・テクノロジー・ジャパンに不適切経理問題が発覚(ゼンテックは09年10月に民事再生申し立て)。再スタートするために08年5月、純粋持ち株会社化して「バイ・デザイン・ホールディングス」に社名を変更、薄型テレビ事業を新設分割した「バイ・デザイン」を設立していた。
その後も販売は伸び悩み、09年12月期の売上高は約18億7100万円にとどまっていた。別ブランドのテレビやデジタルフォトフレームの販売でてこ入れを図り、販売は伸びたものの、赤字続きで支払いに支障をきたし、今年に入ってからは営業停止状態だったという。
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