iPad 2の登場は、タブレットバブルの始まりか(2/2 ページ)
今年は店頭に100種ものタブレットが並びそうだ。だがそのバブルはすぐに崩壊し、脱落するメーカーも出てくるだろう。
3つ目は、ほぼ絶え間ない技術革新だ。企業が消費者の注目を集めるには、もっと何かを提供する必要がある。新機能、デザインや安定性、接続機能の向上、モバイルストアのアプリ拡大が見られるだろう。
だがこのような節度のない成長には、マイナス面もある。一般的な部品を適当に組み上げただけでタブレット市場に食い込むことはできないとメーカーが気づいたときに、多数の購入者が見捨てられたタブレットを押しつけられることになる。これらのメーカーはほどなく、タブレット事業からはじき出される。
いずれ、おそらくは2011年末までに市場は落ち着くだろう。市場は富士通のセキュアな企業向けタブレットや、ASUSのディジタイザ「Waco」など特定市場向けタブレットに分かれていく。だが最大のセグメントは消費者向けタブレットだ。iPadはこの分野の主な例であり、もうすぐiPad 2もそうなる。タブレットブランドの大半は、数千を売る程度で、市場で勢力を伸ばせずに消え去るだろう。残念ながら、HPのwebOSタブレットなどのビッグネームもその中に入るかもしれない。
消費者向けタブレットのバブルはすぐに崩壊するだろう。今から1年後にはもっと選択肢が増えるが、それらは何らかの理由で「予選通過」しなかった数十のタブレットとはまるで違うものになる。おそらくApple、Motorola、Samsungなどの勝者はぼろぼろにはなるだろうが、それでも生き残る。ほかの多数のタブレットは無理だろう。
だが最終的に、ダーウィン淘汰が起きたあとで市場はより強くなる。理にかなった形態で、ユーザーがたいてい必要とするような機能を備え、手ごろな価格のタブレットが出てくるだろう。iPad 3が店頭に登場するころには、確かにそうした特徴を備えているはずだ。iPad 3はおそらく現行モデルと変わらない価格に設定されるか、少し安くなるかもしれない。MotorolaのXOOMも安くなり、おそらくは機能もアップグレードされる。Verizonとの契約なしでも使えるようにもなるだろう。
これがタブレット購入者にとって何を意味するかというと、慎重に選択することと、事業を続けられる企業からのタブレットを買いたいのなら、大手にこだわるべきだということだ。それは少々つまらないかもしれないが、少なくとも来年になってもテクニカルサポートを受けられる。
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