ソニー、テレビ事業を大幅縮小 販売台数計画を半減へ
ソニーがテレビ事業の縮小を発表。12年度に世界4000万台を販売する計画だったが、2000万台体制へと転換。量を追わず、黒字を出せる収益基盤の確立を目指す。
ソニーは11月2日、テレビ事業の縮小を発表した。2012年度に世界で4000万台を販売する事業体制の構築を計画していたが、市場の成長鈍化や欧米の景気低迷を受け、11年度見込みを2000万台へと変更。事業縮小に伴う固定費削減で13年度に同事業の営業黒字転換を目指す。
同社は「量の拡大から、安定的収益基盤の確立へ転換する」と説明している。会見した平井一夫副社長は「テレビ事業再建はソニーグループにとって最大かつ喫緊の課題だ」と述べた。
2000万台体制への転換に伴い、11年度は設備の減損処理やモデル数削減に伴う不要部材の廃棄などを行い、同事業の売上高は8750億円、営業損失1750億円を見込む。
韓国Samsung Electronicsと合弁の液晶パネル製造会社・S-LCDは、世界的なパネルの供給過剰により稼働率が低下している。平井副社長は、Samsungと液晶合弁について議論していることは認めつつ、一部報道で合弁解消などと伝えられたことについては「現時点では発表することはなく、憶測や噂についてのコメントは控える」とした。
一方で「テレビは家庭の中でさまざまなコンテンツを楽しむ中心にある。ソニーの成長戦略に欠かせない非常に重要な商品であることに変わりはない」として、超解像技術による高画質エンジンなど独自技術や、次世代テレビの開発は進めていく方針を示した。平井副社長は「液晶が次世代テレビに取って代わられる時代はいずれ来るが、その時にリードできるように開発を進める」とした。「次世代テレビ」の具体的な技術についてはコメントしなかった。
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