オリンパス社員に「今こそ立ち上がろう」 元専務がサイト開設して呼びかけ
オリンパスの元専務を名乗り、解任されたウッドフォード元社長の復職を求める声を上げるよう、現役社員に対し呼び掛けるWebサイトが公開された。
「今こそ立ち上がろう、と呼びかけたい」──巨額の損失隠しが発覚したオリンパスの元専務を名乗り、解任されたマイケル・ウッドフォード元社長の復職を求める声を上げるよう現役社員に呼び掛けるWebサイトが公開された。「オリンパス丸は沈没寸前」だが、「まだチャンスはある、今行動を起こせば」と訴えている。
同社の“草の根”の社員に呼び掛けるサイト「Olympus grassroots」は11月12日付けで開設。オリンパス元専務で、オリンパスメディカルシステムズの元社長を務めた宮田耕治さんの名前で公開されている。
サイトに掲載された呼び掛けでは、「客観的に見てオリンパスが独立した企業として存続できる可能性が日ごとに減少しています」と危惧。既に同社株式は東京証券取引所が監理銘柄に指定しており、7〜9月期決算が12月14日までに間に合わない場合は上場廃止となる。また有価証券報告書に虚偽記載があり、その影響が重大であると判断されれば上場廃止になる。
さらに「より現実的なタイムリミットは『内視鏡事業が致命的なダメージを受ける前』」と指摘し、高い市場シェアを持つ内視鏡事業が主要顧客から見放され、国公立病院などの入札から閉め出されれば大きなダメージが生じるという。
有価証券報告書の虚偽記載が「重大である」と東証が判断するかどうかは「裁量の余地があります」という。「この裁量に我々が影響を与えられるとしたら『オリンパスは再生できる』との強力なメッセージを全社一丸となって発することしかありません」と訴える。
信頼回復のためには「ウッドフォード氏の復職しか道は無いと思います」として、元社長のもとでコーポレートガバナンスの再構築と収益性改善に向けた改革が必要だと提言する。ウッドフォード元社長の解任は、元社長が損失隠しという「現経営陣にとって『不都合な真実』」を隠ぺいするためだったとして、「我々の不明を恥じ、行動する勇気が無かったことを率直に認め」た上で、「声を一つにして氏の復職を嘆願」するよう社員に呼び掛けている。
サイトは現役社員とOBに対して呼び掛けており、既に賛同者として社員が実名・匿名で掲載されている。
関連記事
- オリンパス、監理銘柄に指定 第2四半期決算提出できず
オリンパスを東証が監理銘柄(確認中)に指定。過去の不適切な処理が発覚し、第2四半期報告書を期限までに提出できない見通しになったため。 - オリンパス 苦し紛れ、「飛ばし」考案 含み損1000億円超に拡大
オリンパスがバブル期の財テクの失敗による巨額の損失を隠していた問題で、同社が保有していた有価証券の含み損は最大1000億円超に上っていたという。 - オリンパス、「不適切な処理」認める 過去の損失計上先送り
オリンパスが問題を指摘されていた企業買収について、資金は過去の損失計上先送りに使われていたことが判明したと発表。高山社長が「大変不適切な処理があった」と謝罪した。 - 「取締役全員が辞任すべきだ」 オリンパス問題でウッドフォード元社長
解任されたオリンパスのウッドフォード元社長「取締役会のメンバー全員がいますぐ退任すべきだ。彼らは私が30年間勤めて愛してきた会社を傷つけただけではなく、日本の評価を損ねた」と話した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.