PlayStation Networkのトロフィー情報が外部から閲覧可能な問題、SCEが対応発表
PlayStation Networkユーザーのプロフィールやトロフィー情報がネット上で誰でも閲覧できる状態になっている問題で、SCEJは説明が不十分だったとして謝罪し、規約の改訂など対応を発表。
「PlayStation Network」(PSN)ユーザーのプロフィールや「トロフィー」の情報が、PSNにログインしていなくてもネット上で誰でも閲覧できる状態になっていた問題で、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン(SCEJ)は11月17日、利用規約の記載や説明が不十分だったとして謝罪した。PSNの利用規約を同日付けで改訂したほか、今後、情報開示の可否をユーザーが選択できる仕組みの導入を検討するとしている。
問題となったのは、仮想空間を使ったコミュニケーションサービス「PlayStation Home」のPC向け公式サイト。同サイトの特定のURLにPSNのID名を加えることで、PSN上のユーザープロフィールや、ゲームを進めるごとに獲得できる「トロフィー」の情報がPSN会員以外でも閲覧できるようになっていることを、セキュリティー専門家の高木浩光さんが指摘した。
トロフィー情報を閲覧することでどんなゲームを遊んでいるのかが分かるほか、テレビ番組を録画できる「torne」にもトロフィーが設定されており、ほかの情報と突き合わせることでどんなジャンルの番組をよく録画しているのかなどを知ることも可能だ。
マイクロソフトの「Xbox Live」などではこうした情報を公開しない設定が可能。PSNではネット公開は止めることができず、またSCEはPSN利用規約を含め、情報がネット公開されることを十分に明記していなかったなどの問題点が指摘されていた。
これに対しSCEJは17日、ユーザー向けに「重要なお知らせ」をサイトに掲載した。
それによると、PSNユーザーのプロフィールやトロフィー情報などは公開を前提としており、「ユーザー同士のコミュニケーションを促進することを目的」として、PSNアカウントを持たないユーザーにもサイトを利用できるようにしていると説明する。
このため「ユーザーのゲームプレイに関係した情報は他のPSNユーザーに提供することがある」ことをPSNの利用規約に記載しているが、「PSNユーザー以外への情報提供について明確な記載がなかった」「torneのトロフィー情報がゲームのトロフィー情報と同様に運用されることについての説明も不十分だった」として、「一部のユーザーの皆様に混乱を与えてしまう結果となりましたことを真摯に受け止め、お詫びします」と謝罪した。
その上で、利用規約を同日付けで改訂。従来は「10.情報公開」で、
「SCEは、PSN上のサービスの一環として、お客様のゲームプレイに関係した情報を他のPSNユーザーに提供することがあります。お客様は、SCEがゲームプレイに関する情報を当該目的のために、仕様、配信、複製、表示、出版等する権利を無償で許諾するものとします。」
としていたが、この部分を
「SCEは、PSNのサービスの提供およびPSNのサービスにおけるユーザー体験を向上させる等の目的のために、オンラインID、自己紹介等のアカウントに関連する情報、トロフィー情報およびお客様のゲームプレイに関係した情報(レベル、ランキングなど)を含む一定の情報を公開することがあります。お客様は、SCEがかかる情報を当該目的のために、使用、配信、複製、表示等利用することにあらかじめ同意するものとします。」
に変更。公開される情報について明確化した。
情報公開をユーザーが選べるようにする仕組みについては「将来の新サービスの導入時やシステムソフトウエアアップデートを通じて提供することを検討する」としたが、具体的な予定などは明らかにしていない。
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