ネット利用についてとことん語ろう、子どもと親と教師の意識が明らかに
シマンテックは調査レポート「オンライン ファミリーレポート2011」を発表した。子どものインターネット利用やそれに対する保護者や教師の意識などを調べた。
シマンテックは11月22日、子どものインターネット利用やそれに対する保護者や教師の意識などを調査した報告書「ノートン オンライン ファミリー レポート2011」を発表した。保護者や教師が気を配る以上に子どもはインターネットを利用している実態が分かった。
この調査は今年で4回目となるもので、今回は欧州や米州、日本、アジア、中東の24カ国(前回までは14カ国)の子ども4553人、保護者2956人、教師2379人の計9888人にアンケートを実施した。同社担当者のほか、心理学の専門家や作家らが調査結果を分析した。
調査結果の概要は次の通りだった。
子どものネットショッピング実態
- 33%の子どもがネットショッピングを経験。そのうち24%は保護者の知らぬ間にすることがある
- 保護者の3分の1は子どもにクレジットカードの決済方法やオンラインショップのアカウントを教えている
- 日本は世界平均とほぼ同様の傾向。ただし、保護者の知らぬ間に買い物をしたことがあるのは11%
親の“盲点”
- インターネットで好ましくない経験をした子どもの割合は、前回調査に比べて4%減少(今回は58%)。ウイルスをダウンロード経験も10%減少(23%)
- こうした経験をした子どものうち、20%は「保護者に悪いことをとがめられるので言わない」と回答。
- アダルトコンテンツを見てしまったと保護者に報告する子どもは、世界平均では38%、日本では10%。保護者を含めてだれにも報告しないという割合は38%
学校でのインターネット教育
- 学校はインターネット技術を積極的に取り入れるべきとの考えは、世界平均では8割以上、日本では9割以上
- インターネットの安全に関する教育が足りないと考えるこどもは44%。子どもにより多く教育すべきと考える保護者は70%(日本81%)、教師は80%(日本93%)
- SNSで教師と生徒が“ともだち”になることをリスクと考える教師は67%(日本69%)。実際に“ともだち”になった教師は34%(日本6%)
家庭での決まり
- 家庭でのインターネット利用の決まりごとを守るこどもの52%は、好ましくない経験をしたことがある(日本21%)
- 家庭でのインターネット利用の決まりごとを守らないこどもの82%は、好ましくない経験をしたことがある(日本45%)
- インターネット利用の時間を家庭で決めている保護者は51%(日本38%)
- 安全なWebサイトの利用を家庭で決めている保護は43%(日本27%)
- 家庭のPCでペアレントコントールを実施しているのは32%(日本13%)
こうした結果から、子どもは保護者や教師が想像する以上にインターネットを利用しており、ウイルス感染やポルノコンテンツなどや、SNSを通じた犯罪との接触といったリスクにさらされている実態が浮き彫りになった。一方、保護者や両親は子どもに安全なインターネット利用を教育すべきと考えているものの、家庭や教育現場での対応が十分に進んでいない様子も明らかになった。
日本の子どもがインターネット利用でリスクにさらされる危険性は、世界平均に比べて小さいものの、スマートフォンや携帯電話などで利用するモバイルインターネットの普及に伴ってリスクが高まる可能性があるとも指摘している。
レポートについて解説したシマンテック コンシューマ マーケティング部 執行役員 部長のロジャー・ヨーダー氏は、「わたしは2人の子どもを日本の学校に通わせているが、学校側での対応が進んでいないと感じている。しかし、教師が多忙な中でネット技術を習得するのが難しいことや、学校側がネット教育に十分な予算を確保できていない実情も理解している」とコメント。保護者はインターネットの安全利用について子どもと一緒に理解を深めていくことが重要であり、家庭と教育現場が連携して子どもを守る取り組みが必要だと提起した。
同社では「ノートン オンライン ファミリー」というインターネットの安全な利用方法を学べるWebサイトを開設しており、ヨーダー氏は「ぜひ活用していただきたい」と話している。
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