ネットに広まる「白血病患者急増」、日本医師会は「発表した事実ない」
「今年4月以降に白血病患者数が急増していると日本医師会が報告している」という内容の文章がネットで広まっているが、日本医師会は「このような発表をした事実はない」と否定。
「今年4月以降に白血病患者数が急増していると日本医師会が報告している」といった内容の書き込みがネット上に流れているとして、日本医師会は11月29日、「このような発表を行った事実はない」として注意を呼び掛ける文書をWebサイトに掲載した。
11月下旬以降、ネットでは「各都道府県の国公立医師会病院の統計によると、今年の4月から10月にかけて、「白血病」と診断された患者数が、昨年の約7倍にのぼったことが21日に判明した。これを受けて、日本医師会会長原中勝征は、原発事故との因果関係は不明として、原因が判明次第発表するとした」といった内容の文章が流通している。「白血病と診断された患者の約60%以上が急性白血病」「患者の約80%が東北・関東地方」という
この文章には「白血病患者急増 医学界で高まる不安」という新聞記事風のタイトルが付いているが、文体は新聞記事の稚拙な模倣に過ぎず、ニュースソースや出典も明らかにされていない。だがTwitterやブログなどで広まり、公式発表だと信じている人も多い。
日本医師会は原中勝征会長名の文書で、こうした発表をした事実はないと否定。「各都道府県の国公立医師会病院」という不自然な表記(医師会病院は国公立ではない)のほか、「統計の数値につきましても、現段階でそのようなデータについて確認できず、信憑性を疑わざるを得ない」とした。一般紙に掲載されたとの噂についても、同会で確認し「掲載した事実はない」と回答を得ているという。
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