米オバマ政権、ネットユーザーのプライバシーに関する権利章典を発表
米連邦政府が、新法案「Consumer Privacy Bill of Rights」と、GoogleやMicrosoftなどが「Do Not Track」に取り組むことを発表した。
米オバマ政権は2月23日(現地時間)、ネットユーザーのプライバシー保護を目的とした新法案「Consumer Privacy Bill of Rights(消費者プライバシー権利章典)」を発表した。消費者のプライバシーを守りつつ、インターネットをイノベーションと経済成長の原動力として維持する包括的な計画の一環という。
また、Google、Yahoo!、Microsoft、AOLを含む米ネットワーク企業やオンライン広告企業が「Do Not Track」の導入や、ユーザーのWeb履歴を広告以外の目的で利用する企業に提供しないことを約束したことも発表した。
Do Not Trackは、FTCが運用する迷惑電話拒否リスト「Do Not Call」のネット版。ユーザーのWeb履歴を追跡する企業が自社のドメイン名やサーバをリストに登録し、ユーザーはこのリストをPCにダウンロードすることで、特定のサイトでの追跡をブロックできるようにするというものだ。FTCは2010年12月にこの枠組みを提案し、2011年5月には適用範囲をモバイル端末に拡大するよう提案している。MozillaのFirefoxには既に実装されている。
同日公開された法案の予備報告書は、ユーザーにはオンラインでどのようなデータが収集され、そのデータがどのように利用・共有されるかを知り、データ収集を拒否する権利があるとしている。報告書は、モバイル端末でのネットやアプリ利用にも触れている。
米政府の要請の下、米商務省電気通信情報局が企業やプライバシー擁護団体などの関連組織を招集し、同法案に基づくプライバシーポリシーの策定を始める。
インターネットでの消費者のプライバシー侵害は大きな問題になっており、近年のスマートフォンの普及がそれに拍車を掛けている。昨年5月にはAppleのiPhoneがユーザーの位置情報を収集していたことが、今年に入ってApp Storeで提供されている複数のモバイルアプリがユーザーデータを無断で収集していたことが発覚した。
新法案発表の前日である22日には、カリフォルニア州がAppleやGoogleなど6社とモバイルアプリのプライバシー保護強化で合意したことを発表している。
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