韓流ボカロ「SeeU」が生まれた理由を担当者に聞いてきた(3/3 ページ)
VOCALOIDのニューフェース「SeeU」は韓国語と日本語の2つの歌声データベースを持つ。“韓流ボカロ”。その狙いを聞くとともに、実際に曲も作ってみた。
SeeUで曲をつくってみた
VOCALOIDは使ってなんぼ。実際にSeeUの歌声を使って、1分少々のサンプル曲を作ってみた。残念ながら自分は韓国語ができない(そもそも入力方法がわからない)ので、日本語データベースのみ使っている。リバプールサウンドっぽいバッキングをiPhone版GarageBandで作ってMacにインポート。それをWAVに変換し、VOCALOID3 EditorのWAVトラックに読み込んで、SeeUをコーラスと合わせて3トラック使って仕上げたものだ。
VOCALOID3 EditorはCrossOver Macを使い、Windowsなしで動かした。CrossOver Macは最新バージョンである10.2にすることで、VOCALOID3インストーラに対応する。バッキングに合わせながら調教ができるのはありがたい。ただ、VOCALOID2と比べるとかなり重く、再生のスタート/ストップの反応が鈍いので、やはりMacネイティブ版はほしいところだ。
SeeUの使用感だが、母音の発音が日本語のように開ききらないところが、歌愛ユキに近い印象を受ける。「外国から日本にやってきたアイドルが日本語を勉強しながら歌っている」ような感じを出すときにはいいかもしれない。ちょっと鼻にかかった声質だが、幼い印象を受けるのはそのせいかもしれない。
女声VOCALOID3が一挙に出てきた中、なかなかよいポイントを押さえていると思う。ニコニコ動画でも、SeeUタグの動画は166本(1月27日時点)。おそらく韓国と思われる海外Pからの投稿も多いようだ。GLAMがデビューし、本格的な共同プロモーションが開始されれば、さらに盛り上がってくるだろう。
SeeUの情報は、日本で販売しているVOCALOID Store以外に、Twitterの公式アカウントやFacebookなどで垣間みることができるが、ハングルなので、ハードルが高い。日本語のサービスも準備しているそうなので、日本のユーザー・ファン向け情報も期待したいところだ。日本ではVOCALOID STOREを通して販売されているので、日本語の情報はそこから出てくると思われる。
SeeUでVOCALOID 3発売記念コンテストに参加!
SeeUを使った楽曲ができたら、「VOCALOID 3発売記念楽曲コンテスト」に応募してはいかがだろうか。
SeeUの応募作には、SBS Artech賞(SeeU)として、
- 最優秀賞: 2泊3日・2名・韓国ソウル旅行券+SeeUグッズ盛り合わせ 1名様
- 優秀賞: iPad2 Wi-Fi 32GB 1台+SeeUグッズ盛り合わせ 1名様
- 特選 (imyss賞): imyss化粧品ギフトセット+SeeUグッズ盛り合わせ 1名様
- 入選: SeeUグッズ盛り合わせ 5名様
が、それ以外のVOCALOID 3楽曲については、
- V3コンテスト特別参加賞(対象ライブラリすべて)
コンテスト期間中に、投稿動画の再生数が3000回を超えた作品の作者にもれなく、発売予定のないV3音声ライブラリをプレゼント。
といった商品がある。
ニコニコ動画に投稿して「VOCALOID3発売記念コンテスト」タグロックをしておこう。締め切りは3月31日まで。もちろん、SeeU以外のVOCALOID 3作品も投稿可能だ。
関連記事
- ヤマハ、よりリアルになった「VOCALOID3」発表 制作ソフト一新、API公開も
ヤマハが歌声合成ソフトの新バージョン「VOCALOID3」を発表。歌声はさらにリアルになったほか、制作ソフトの一新、APIの公開なども。ヤマハはボカロ文化の支援も積極的に進めていく。 - Mac対応は? ぼかりすは? VOCALOID3の秘密を追ってみた
ヤマハが発表した「VOCALOID3」は従来版からさまさまな改良が加えられ、製品の形態も大きく変わる。「VOCALOIDの父」ことヤマハ・剣持氏と「ぼかりす」の産総研・後藤氏に話を聞けたので情報を補完しておこう。 - ジャズ専門誌がなぜボカロ? 「JAZZ JAPAN」編集部に聞いてみた
スイングジャーナルの意志を継ぐジャズ専門誌「JAZZ JAPAN」に「ジャズで聴く初音ミク」という記事が掲載された。電子書籍にはボカロPによるジャズ作品の「歌ってみた」まで収録されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.