米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所はこのほど、赤外線探査衛星による多数の写真を組み合わせた全天の画像を公開した。5億以上の星々や銀河が映っており、地球から見た“宇宙の地図”になっている。
公開された画像はフルサイズでは1万(横)×5030(縦)ピクセル(Mバイト)という大きなものだ(JPEG画像サイズは6.5Mバイト)。水平の明るい線はわれわれが住む天の川銀河。写真中央に銀河中心部(いて座の方向)が位置するように作成されており、天の川銀河が円盤状になっているのがよく分かる。
画像を原寸で見ると、遠い銀河を見つけたり、ガス雲の微細な構造をうかがうこともでき、ちょっとした宇宙散歩気分が味わえる。
撮影したのはNASAが2009年に打ち上げた「WISE」(広域赤外線探査衛星)。40センチの赤外線望遠鏡を搭載し、4つの波長の赤外線で全天のほとんどを撮影。写真は270万枚以上に上り、これまで観測された中で最も表面温度が低い25度という褐色矮星を発見するなどの成果を上げてきた。運用は既に終了している。
公開した写真はこのうち3波長で撮影したものを合成した擬似的なカラー写真。WISEは地球近傍の小惑星なども撮影しているが、“宇宙の地図”からはこうした動く天体は除いたという。だが木星や土星などの惑星はひときわ明るい赤い点として写っている。
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