ソフトバンク、世界初の放射線測定機能付きスマホ 孫社長「強い思い込めた」
ソフトバンクモバイルが世界初の放射線測定機能付き携帯電話を発表。人気シリーズのAndroidスマートフォン版「PANTONE 5」(SoftBank 107SH)として販売する。
ソフトバンクモバイルは5月29日、世界初という放射線測定機能付き携帯電話を発売すると発表した。人気シリーズのAndroidスマートフォン版「PANTONE 5」(SoftBank 107SH、シャープ製)として7月中旬に発売する予定。孫正義社長のTwitterアカウントに対し要望が多く寄せられていたといい、孫社長は「わたしの強い思いを込めて作った」と話している。
独自開発のICチップにより、放射線測定機能を小型化して搭載。1つ1つのモジュールをセシウム137を使って校正した上で販売するという。検出器はシリコン半導体で、γ線を計測可能。測定範囲は0.05〜9.99μシーベルト/時(誤差±20%)。
本体に測定専用ボタンを備え、ワンプッシュで専用アプリが起動して測定スタート。測定値は自動的に記録され、日別表示やカレンダー表示のほか、自動的に地図上にプロットする機能も。子どもの通学路など、行く先々の測定値を記録しておけるようになっている。累積放射線量を確認できる常時測定機能も備える。
本体自体はカラーバリエーションで人気の「PANTONE」シリーズ初のスマートフォン。Android 4.0を採用し、8種類のカラーバリエーションのほか防水防塵機能、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信など従来型携帯電話の機能も搭載している。
発売に当たっては同端末用の料金プランを用意するという。「安心安全を求めたい多くの母親に1台でも多く届けたいので検討している。具体的なことはその時発表したい」(孫社長)。価格帯なども現時点では明らかにしなかった。
測定値をTwitterなどに投稿する機能などはないという。孫社長は「地表から1メートルくらいのところで測るのが標準的だが、人によってはまちまちになる。ソーシャルメディアで共有した時に、ばらつきがかえって風評被害などになりかねないという問題も含め、どうすべきか考えている。まずは自分用に測ったものが保存されるのがスタートだ」としている。
放射線測定器は正確さを保つために校正を継続的に実施する必要がある。孫社長は「市販の測定機材は出荷すれば出荷したものを使っていく。われわれのものも同じだと考えてください」とした。
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