Microsoft、Windows 8のタッチキーボードの工夫を解説
Windows 8のソフトウェアキーボードには、親指入力でも片手入力でも速く正確に入力するための工夫を凝らしたと開発チームがポイントを解説している。
Windows 8のタッチキーボード(ソフトウェアキーボード)では、速く、ミスなく、快適に入力できることを目指した――。米Microsoftは7月17日(現地時間)、次期OS「Windows 8」のタッチキーボードのデザインについて、開発に際しての苦労を含めて詳しく解説した。
公式ブログ「Building Windows 8」の長大な解説では、アイトラッキング装置やサーモグラフィー(熱分布画像装置)を駆使してユーザーの入力行動を研究し、さまざまなプロトタイプをテストした経緯が紹介されている。
タブレット上のタッチキーボードを使う際、ユーザーはタブレットを卓上などに置いて両手で入力するか、片手で持ってもう一方の手で入力するか、両手で持って親指で入力するという3つの方法をとる。Microsoftはいずれの方法でも入力しやすいキーボードの開発を目指したという。3つ目の方法のために、画面の左右に分かれたキーボードも用意した。右下のキー(上図では「ENG」となっているキー)をタップすることで、両手モードのキーボードに切り替えられる。なお、このキーには手書き入力や英語以外の言語入力への切り替えの役割もあるようだ。
ミス入力を減らす工夫としては、キーをタップするごとにキーの色を変え、音も鳴るようにした(iPadやAndroidタブレットのキーボードも同様の仕様になっている)。また、タップ位置が2つのキーにまたがったような場合、英語の場合は可能性の高い候補を予測して入力する。例えば「t」「h」の次にユーザーが「w」と「e」の間をタップした場合、「thw」よりは「the」の可能性が高いと判断し、例え「w」により近い位置がタップされていても「e」を入力する。
数字や記号の入力については、左下に1つだけある「&123」キーをタップすることでアルファベットのキーボードから数字・記号のキーボードに切り替えられるようにした。このキーをタップではなく押し続ける(プレス&ホールド)とその間だけ数字・記号キーボードが表示される。長い数字の連続を入力する場合はこの方が便利だろう。
キーによってはプレス&ホールドで他の文字を呼び出すことができる。例えば「e」ではウムラウトやアクサン付きの文字を表示できる。
こうした工夫で極力シンプルにしたタッチキーボードだが、左下にUnicodeベースの絵文字を入力するための「emoji(絵文字)」キーを追加した。絵文字の利用は世界的に増加しており、絵文字は自己表現のための重要な要素になっているという。
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