「Life with PlayStation」11月に終了へ 1500万人が参加した「Folding@home」支援も終了
PS3で世界の天気情報やニュースなどを閲覧できる「Life with PlayStation」が終了。分散コンピューティングプロジェクト「Folding@home」支援プログラムも終了する。
ソニー・コンピュータエンタテインメントは10月22日、「プレイステーション 3」で世界の天気情報やニュースなどを閲覧できる「Life with PlayStation」を、11月初旬に終了すると発表した。Life with PlayStation内で提供していた、分散コンピューティングプロジェクト「Folding@home」支援サービスも終了する。
Life with PlayStationは、世界各地の天気やニュース、ライブカメラ映像などを家庭のテレビで見られるサービスで、2008年にスタート。ネットに接続したPS3をライフスタイルの一部に取り入れてもらう戦略だった(PS3を生活の一部に──新サービス「Life with PlayStation」)。
PS3のコンピューティングパワーを、米国スタンフォード大学の医療研究プロジェクト「Folding@home」に提供する試みは07年にスタート、08年からLife with PlayStationに統合して提供していた。これまでに全世界でのべ1500万人のPS3ユーザーがFolding@homeに参加し、合計1億時間以上の計算時間を提供したという。
「スタンフォード大学との話し合いにより、PS3は同プロジェクトにおいて一定の役割を果たしたものと判断し、終了を決定した」としている。スタンフォード大学Folding@home研究リーダーのビジェイ・パンデ氏からのメッセージは以下の通り。
PS3は新しい演算方法、プロセッサの可能性、さらにはGPUの先進的な使い方を提案し、Folding@homeに大きな変革をもたらしました。私達の研究はここ数年大きな成果を挙げています。具体的には、これまでのFolding@homeでの解析結果から導いた予測の検証とこれらの予測に基づく新たなアルツハイマー病対策についての報告をつい先日発刊された『Journal of Medicinal Chemistry』誌で行いました。スタンフォード大学ではすでに取り組みはじめていますが、これまでに得られた成果を活用し実際に利用可能な医薬品を開発することが次のステップです。詳細をお伝えするのは時期尚早ですが、この報告からも単なる候補ではない有望な医薬品開発に向けた成果が得られる兆しが見えてきており、今後の展開が非常に楽しみです
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