「LTEはドコモが発端」 下り最大100Mbpsサービス開始、東名阪は14年春から(2/2 ページ)
ドコモがLTEデータ通信「Xi」についてメディア向けに説明。2004年のコンセプト提案から7年にわたる技術開発の歴史や、エリア拡大への努力をアピールした。
「4G」使わない? 「こだわってはいない」
ソフトバンクとKDDIは「4G LTE」の名称でLTEをマーケティングしている。Xiという名称でLTEを展開してきたドコモは最近、「docomo LTE Xi」の名を使い始めたが、「4G」は名乗っていない。「これまでXiという名前で高速感を味わっていただいたが、『LTEはまだやらないの?』と誤解される場合もある。LTE Xiという格好でしばらくやりたい」と岩崎副社長。「4G」という語を使わないよう意地を張っているわけではないと笑う。
尾上常務によると、「報道などで、ITU(国際電気通信連合)が4Gの呼称を認めたと書かれたが、レコメンデーションではなくプレスリリースで、『3Gから発展した技術は4Gと呼んでもいいかもしれない』と出ただけで、勧告ではない」という。ただ、「4Gという言葉の定義はぼんやりとしていた」(尾上常務)こともあり、4Gという語にこだわりはないという。
人口カバー率は75%へ 「実人口カバー率」は「他社より高い値になる」が……
エリア拡大も進めており、今年度末までに人口カバー率で75%を達成予定だ。同社は総務省が定義する人口カバー率を採用しており、市区町村役場や役場支所や出張所に電波が届いているかどうかで判断。1つの支所・出張所にでも電波が届かないとカバー率は「0%」になってしまう。例えば、市役所と支所が3つがある市で、2つの支所だけ届かず、カバー率0%となっている市が実際にあるという。「人口カバー率は利用体感よりも小さくなる可能性がある」と岩崎副社長は言う。
KDDI、ソフトバンクモバイルが採用している「実人口カバー率」は、全国を500メートル四方単位に区分けしたメッシュのうち、電波が届くメッシュに含まれる人口から割り出しており、それぞれ今年度末には90%を超えると発表している。ただ、メッシュ内のどれぐらいの人口に電波が届いたら圏内と判断するかなど詳細な計算方法は非公開。3社の「人口カバー率」を単純比較はできず、分かりづらいという指摘もある。
ドコモの「実人口カバー率」は、「あくまでわたしどもの定義上の計算方法だと、他社より高い値になる」と岩崎副社長。ただ、「電波をいただいた時も、人口カバー率の定義をもとに導入計画をお示ししている。継続性という意味でも、この数値で統一されたほうがいいのかなと思っている。実人口カバー率の方がいいなら、その定義をしっかりしていただいた上で、私どもも出したい」と話している。
関連記事
- 条件がよければ固定網より速い!? ドコモのLTE 「Xi」100Mbpsサービスの実力
NTTドコモが、11月16日に対応するスマートフォンを発売するのに合わせて、一部地域で「Xi」の通信速度を下り最大100Mbps、上り最大37.5Mbpsに高速化する。そのスピードを、一足速く体験できたのでリポートする。 - KDDI、高速ハンドオーバーの調査で訂正――ドコモのLTE端末も対応
KDDIの高速ハンドオーバー技術「Optimized Handover」の調査で誤りがあったことが判明。同社は「ドコモはネットワークのみ対応しており端末は対応していない」と案内していたが、ドコモのLTE端末も高速ハンドオーバーに対応していることが分かった。 - LTE「人口カバー率」に疑問 キャリアで異なる算定方法
各社がしのぎを削るLTEの「人口カバー率」だが、キャリアごとに算定方法が異なり、単純比較できない。利用者を混乱させる恐れも。 - 全国200地点のLTE平均速度、ソフトバンクがトップ ICT総研の実測調査
ICT総研が全国200地点でLTEの通信速度を実測調査した結果によると、平均通信速度のトップは下り/上りともソフトバンクモバイルで、KDDIをそれぞれ1Mbps前後上回ったという。 - 「LTEの先駆者」ドコモ 冬モデルのスマホは全機種、下り最大100Mbpsの「Xi」対応
ドコモの冬モデルは、スマートフォン全モデルで下り最大100MbpsのLTEサービス「Xi」に対応した。LTEで他社に2年先行している経験を生かし、「生活に合った端末やサービスを提供する」という。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.