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シャープとQualcomm、「MEMSディスプレイ」の共同開発を正式発表 総額100億円の出資も
シャープとQualcommが「MEMSディスプレイ」の共同開発で合意。Qualcommは総額100億円をシャープに出資する。
シャープと米Qualcommは12月4日、モバイル向け次世代ディスプレイの共同開発とQualcommによるシャープへの出資について契約を結んだと正式発表した。
Qualcommの100%子会社Pixtronixが持つ「MEMS(微少電子機械システム)ディスプレイ」技術の実用化を進める。同ディスプレイは液晶ディスプレイや有機ELディスプレイに比べ、省電力や色再現性、視野角、高速応答で優れるという。シャープのIGZO技術と組み合わせ、モバイル向けMEMSディスプレイの開発に取り組む。
共同開発に向け、Qualcommは総額1億2000万ドル(約99億円)の第三者割当増資を引き受ける形でシャープに出資する。出資は2回に分けて行われ、まず27日払い込みの第1回で約49億円の増資を行い、その後来年3月末予定の2回目で残りを実施する。2回目の増資は、MEMSディスプレイモジュールの仕様確立や設備導入の計画などについて両社で確認し、さらに今年度下期の営業黒字化などを条件として行う。
シャープは提携について、「ディスプレイ事業における将来にわたる優位性の確保に結び付けることができ、資本政策にも寄与することから、企業価値の拡大に結実するものと判断している」とコメントしている。
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