“Android版iTunes”感覚の「Yahoo!スマホマネージャー」公開 「Androidでもヤフー」目指す
ヤフーが、iTunesのような感覚で使えるAndroid端末管理ソフト「Yahoo!スマホマネージャー」を無料公開。まずは100万ダウンロードを目標に、スマホ初心者をメインターゲットとして提供していく。
ヤフーとACCESSPORTは12月19日、PCからAndroid端末内のデータを管理したり、デジタルコンテンツを購入したりできる無料ソフト「Yahoo!スマホマネージャー」を公開した。Android端末のデータ管理に悩むスマートフォン初心者をメインターゲットとして提供していくという。
専用ソフトをインストールしたPCとAndroid端末をUSB接続することで、端末内の写真や音楽、連絡先情報などをPC上で管理できるソフト。使い方はiOS向け管理ソフト「iTunes」のAndroid版といったイメージで、音楽やアプリなどをダウンロード購入できる機能も搭載している。
写真、動画、音楽、連絡先の各データをAndroid端末からPCにバックアップできるほか、これらのデータをPCからAndroid端末にリストアすることも可能。このほか、PCから端末内のアプリのアンインストール、データの削除、着信音や壁紙の設定、SMS(ショートメッセージ)の送信――といったことも行える。
コンテンツストア機能では、ヤフーの「Yahoo!マーケット」およびACCESSPORTの「TapnowMarket」で提供中のAndroidアプリ、音楽、壁紙を配信。アプリは無料と有料合わせて1300個を用意する。壁紙はアイドルやタレント、キャラクターなど有料、無料合わせて約150セット提供するという。
音楽配信では、エイベックス・マーケティング、ワーナーミュージック・ジャパン、アップフロントワークスの邦楽/洋楽35万曲を配信。全てDRMなし・320kbpsの高音質で、1曲250円前後、アルバム2000円前後でダウンロード販売する。今後はスペースシャワーネットワークからの楽曲配信も行うという。
「Androidでもヤフー」というイメージを
Yahoo!スマホマネージャーは、ACCESSPORTが提供するAndroid端末管理ソフト「Tapnow」の名称とデザインを変えてヤフーが提供するサービスだ。ユーティリティ機能はそのままに、Tapnow内のコンテンツとYahoo!マーケットのコンテンツを合わせて提供している。
ヤフーは今年から「スマホファースト」を掲げ、スマートフォン向けサービスを提供する他社との連携を進めてきた。だが同社の平野賢さん(コンシューマー事業カンパニーパーソナルサービス本部)によると、これまでは同社が提供するスマートフォン向けサービスとPC向けポータル「Yahoo!JAPAN」のユーザーとの間に隔たりがあったという。
「アプリの削除ができないとか、写真や動画がスマートフォンの中のどこにあるのかが分からないといったスマホ初心者がYahoo!のユーザーには多い。これまで、それらの課題を解決する手段を持っていなかった」(平野さん)。そんな中、ACCESSPORTとの提携の話が上がると「経営陣も『Tapnowいいじゃん』と話が進んでいった」という。
一方、Topnow自体は昨年夏から提供していたものの「いいものがあるのにユーザーに伝わっておらず、なかなか使ってもらえていない状況だった」とACCESSPORT広報の松山華乃さん。ヤフーとの協業を通じ、Tapnowマーケットの認知度拡大とユーザー増加につなげたい考えだ。
Yahoo!スマホマネージャーに広告枠はなく、手数料収入を得ていく仕組みだ。「儲けにはならないと思う」と平野さんは言う。「それでもヤフーとしては、Androidユーザーとの接点を持ちたいという気持ちがあった。『Androidでもヤフー』というイメージを作りたい」(平野さん)
今後、Yahoo!JAPANのトップページなどからダウンロードを促していく。「Androidユーザー2000万人のうち、まずは5%に当たる100万人くらいに使ってもらいたい」と平野さんは話している。
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