ユーザーレビューとどう向き合う? クックパッドiPhoneアプリに酷評殺到の背景(3/3 ページ)
2月に刷新されたクックパッドのiPhoneアプリ。使い勝手が大きく変わったことにユーザーが戸惑い、レビューには「☆1」の最低評価が殺到した。感情的な内容が投稿されがちなユーザーレビューと、開発者はどう向き合えば良いだろうか。
ユーザーレビューとどう向き合う?
一般的に、日本のApp StoreやGoogle Playのレビューは荒れがちだ言われる。ネガティブな意見には時に、誹謗中傷や事実無根の内容が含まれることもある。「ひどいレビューを見ると落ち込んでモチベーションが下がってしまうので、あまり見ないようにしている」という個人開発者も。レビューで酷評や中傷に耐えられず、アプリ開発を辞めた開発者もいる。
「最悪なのは、酷評を恐れて何も出さないこと」と橋本CTO。「僕もWeb開発を始めたころ、サービスに対する評価がかなり荒れ、涙を流した経験があるが、何とか乗り切ってきた。低評価はずっと残り続けるわけでもない。きちんとやり続ければ、評価してもらえるはず」という考えで、実際、クックパッドのiPhoneアプリの評価も徐々に改善している。
レビューが投稿されるのは、アプリの良さに感激した時や、逆に、使いづらさに失望したときなど、「良い意味でも悪い意味でも、感情が高まったタイミング」だと、別の個人開発者は指摘する。心穏やかに開発を続けるためには「レビューは感情的な意見の集積」と割り切って一定の距離感を保ち、使える情報だけを抜き出しつつ、“サイレントマジョリティー”である多数派ユーザーの動きを注視する——といった冷静さが必要になるのだろう。
ユーザー側も、「レビューは感情的な内容が投稿されがちで、誤解や間違いも含まれている」と認識した上で、内容をうのみにせず、アプリの善し悪しを自分の目で判断するリテラシーが必要だと言えそうだ。
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