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目指したのは「究極のシンプル」 レシート撮るだけ家計簿アプリ「ReceReco」の狙い(1/3 ページ)

“レシート写真を撮るだけ”の家計簿アプリ「ReceReco」が、公開後2カ月で33万ダウンロードを超える人気になっている。目指したのは「とにかくラクなアプリ」だという。

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ReceReco利用イメージ

 レシート写真を撮るだけで家計簿を作れる無料iPhoneアプリ「ReceReco」が人気だ。1月31日の公開直後にユーザーが急増し、App Storeのファイナンス部門で約40日間にわたって1位をキープ。ダウンロード数は3月末時点で33万件を超えている。

 OCR(文字認識技術)によってレシート内のテキストや数字を読み取り、手入力をすることなく支出管理を行えるというアプリ。従来の無料家計簿アプリにはなかった手軽さが話題となり、App Storeのレビュー欄では「こんなに便利なものがあったなんて」「お店でレシートをもらうのが嬉しくなった」など驚きの声も上がっている。

 開発したのは、企業向けデータ分析サービスなどを手がけるブレインパッド。「データ分析のプロ集団」を掲げる同社が、今回は新事業として個人向けアプリを開発した。「当初は年内50万ダウンロードが目標だったが、近いうちに上方修正したいと思う。50万、100万ダウンロードはもう見えている」と話す平野健児さん(サービスイノベーション室「ReceReco」事業責任者)に、開発の背景と狙いを聞いた。

“ガラケー時代”からあったサービスをiPhoneに

 ReceRecoの特徴は、レシート写真を撮るだけで「あっという間に家計簿ができる」(平野さん)こと。飲食店やスーパー、日用品店などのレシートをiPhoneのカメラで撮影すれば、品目や値段、店舗名などを自動でデータ化して保存できる。文字認識技術を用いるため「どんな店のレシートでも読み取れる」のも特徴だ。

 読み取ったレシート情報は、写真やメモ、タグなどを付けて管理していく。出費種別を「食費」「被服費」「日用品費」などのカテゴリから選べば、週ごとや月ごとの支出内訳をグラフ表示することもできる。

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読み取ったレシート情報を基にグラフを表示したり、フォトメモ機能を使ってライフログとして使ったりできる

 アプリの中心はレシート写真の読み取り機能だが、この技術は「全然新しいものではない」と平野さんは話す。「レシート写真を読み取って家計簿を作成するソフトは誰でも使える有料ライセンスとして公開されており、2010年にはシャープ製携帯電話にも搭載されていた。スマートフォン向けにも、同じ機能を搭載したアプリは既にいくつもあった」(平野さん)

 便利な機能であるにもかかわらず「これまでほとんど知られていなかった」と平野さんは振り返る。「似たようなアプリが流行らなかった理由は、どれも有料だったから。節約のための家計簿アプリを数百円で買う人はそういない。無料にすれば話題になるし、UI(ユーザーインタフェース)を工夫すれば、もっと爆発的に広がると思っていた」

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