「Androidは当初、デジカメ向けだった」 生みの親 アンディ・ルービンが語る“素早い転換”の価値:新経済サミット2013(2/2 ページ)
Androidは当初、デジタルカメラ用のプラットフォームとして開発されたという。わずか5カ月でスマートフォン向けに転換。その背景を、Android生みの親・ルービン氏が、当時の資料とともに振り返った。
エンタープライズ向けとローエンド向けの中間部分に狙いを定めた。「最初からハイエンドに行けば、後から市場を広げたい時、ミドルレンジ、ローエンドと2段下がるのは大変だし、ローエンドから2段上に上がるのも大変だろうだ、上下に1段移動するのは簡単だろうと考えた」ためだ。
Androidは、韓国Samsung Electronicsや台湾HTCなどと提携。その後、05年にGoogleに買収された。GoogleはAndroidを無償で配布。「端末価格は下がっているのにソフトの価格は変わらない」という違和感に、無償化という“破壊的イノベーション”で応えることで、広告やアプリなど、サービスのビジネスモデルを進展させた。
2010年までに9%の市場シェアを取るというのが、05年にVC向けにプレゼンした当初の「大きな野望」だったが、成長スピードは予想を大きく上回った。スマートフォンOSにおけるAndroidのシェアは08年には0%だったが、12年10〜12月期には72%に上っている(販売台数ベース)。
うまくいかなければ、すぐに転換を
「ビジネスには柔軟性が必要だ」とルービン氏はいう。「計画がうまくいっていない時は変えるべきだ。1からやり直してもいが、これまでに作った物を再利用できれば、意思決定も早く、方向もすぐに変えられる。すぐに決定し、すぐに転換しないと、ブロックされてしまう」
当初に開発した技術やアーキテクチャが強靱だったため、デジカメ向けに開発したプラットフォームやアプリはそのままスマホ向けに利用できたという。さらに、BtoB、BtoCの両方のビジネスモデルを設計し、GoogleがAndroidを買収した後もビジネスモデルは変わっていないという。フレキシブルなビジネス戦略が、環境の変化にも耐えられたとみる。
「初めからいいアイデアがあるわけではない。VCやパートナーなどコミュニティーが言っていることを聞き、対応して変化すること。そうしないと、スマートフォンのカメラプラットフォームみたいに、一部の人しか使わないものになってしまう」
関連記事
- 「新経済サミット」にTwitterやPinterest創業者らネット企業の大物多数
ネット企業が多く加盟する新経済連盟は、国内外のネット企業の大物が多数出席する「新経済サミット2013」を都内で開く。 - Google、Androidアプリは45万本突破、端末累計販売台数は3億台超と発表
Android端末は1日当たり85万台アクティベートされており、累計台数は3億台を超えた。 - 安倍首相、IT重視を強調 「日本を成長させるのはニューエコノミー」 新経済連盟イベント出席
安倍晋三首相が4月15日、ネット企業が多く加盟する「新経済連盟」主催イベントの前夜祭に出席、IT業界の振興を重視する姿勢をアピール。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.