ドコモ、13年度はスマホ機種絞り込み iPhoneは「従来通り」の姿勢
ドコモは13年度のスマホ販売台数目標を2割増の1600万台に。機種を絞り込んで主力に集中するほか、新スローガン「スマートライフのパートナーへ」を掲げて関連サービスの強化を図っていく。
NTTドコモは4月26日、2013年度のスマートフォン販売台数を前年度から約20%増の1600万台とする計画を明らかにした。12年度は1400万台の目標を掲げていたが、MNP(番号ポータビリティ)の流出も響き、実績は1329万台だった。
同社がiPhone発売に踏み切るのではという見方も強まっているが、加藤薫社長は「日本において魅力的な端末であることに変わりはないが、今のところ従来と変わった情報はない」と否定的だった。
12年度のスマートフォン販売台数は11年度の882万台から51%増に。販売が好調として昨年10月に目標を100万台上積みして1400万台としたが、これを下回る形での着地となった。
MNP転出超過数は約140万件に上り、「iPhone 5の影響で9月から10月、11月とMNPで苦戦した」(加藤社長)。ただ2月に投入した「Xperia Z」が好調となるなど1〜3月期(第4四半期)は純増数で前年同期比を上回り、「手応えを感じている」。13年度は「第4四半期の手応えをもとにいろいろとやっていく。トリガーとなるのは夏モデルだろう」という。
13年度の販売方針について詳細は明らかにしなかったが、ラインアップを絞り込んで主力機種にリソースを集中していく考え。「ラインアップはあまり多くせず、かつその中でおすすめのものをセットしていきたい」(加藤社長)。スペックだけではなく、使い勝手やサービス、ネットワーク品質などをトータルに訴求していく考えだ。
新スローガン「スマートライフのパートナーへ」を掲げ、健康チェックサービスなどスマートフォンを活用することでユーザーの生活を豊かで便利なものにする関連サービスを強化する。これまでは「総合サービス企業」をうたってきたが、ユーザー側の視点から「パートナー」を打ち出していく。関連サービスを担当する部署を集約した新組織「スマートライフビジネス本部」を新設し、迅速なサービス展開を図っていく狙いだ。「dマーケット」など新領域の売上高は12年度に5350億円。13年度は7000億円超を目指し、15年度の1兆円を射程に入れる。
年内に搭載端末の投入を計画している「Tizen」については「Tizenの一番の特色は自由度が高く、オープンであること。オープンの度合いはAndroidより少し進んでいるかもしれない」と説明。クラウドを活用したさまざまなサービスを展開するために「OSの自由度が高いほうがいい」とした。
今期は営業益横ばい
同社の2013年3月期(12年度)の連結決算(米国会計基準)は、売上高に当たる営業収益が前期比5.4%増の4兆4701億円だったものの、営業利益は4.3%減の8371億円にとどまった。税引き前利益は4.0%減の8416億円、純利益は6.8%増の4956億円だった。
今期(13年度)は営業収益で3.8%増の4兆6400万円を見込むものの、営業利益は横ばいの8400億円と予想している。
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