「モバコイン」消費、国内で初の減少 DeNA、アプリゲーム開発加速で再成長へ
ガンホーのパズドラが快進撃を続ける中、Mobageは初のコイン消費減。アプリゲームの開発を加速し、再成長させていく方針だ。
ディー・エヌ・エー(DeNA)は5月9日、今年1〜3月期のMobage用仮想通貨「モバコイン」の国内消費高が583億円にとどまり、前四半期より約15億円減ったことを明らかにした。モバコイン消費が四半期ベースで減ったのは初。
守安功社長は、内製ゲームにヒットが出なかったこと、アプリゲームへの取り組みが遅れたこなどが原因と説明。国内市場向けアプリの投入を加速していくほか、他社との共同開発を進めるなどしてゲーム数やカバージャンルを拡大。四半期に1本程度だった内製タイトルの投入を月2本のペースに増やし、再び成長軌道に乗せていくと話した。
スマートフォン向けゲーム市場では、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ」が、4月だけで売上高120億円に上る大ヒットをとげている。守安社長は「ガンホーさんもそうだが、アプリを含めたソーシャルゲーム市場は大きく伸びている」と指摘。「この成長をきっちり取り込めば、Mobageを再度成長させることは可能だろう」と述べた。
海外向けのMobageは、欧米版「Mobage West」を中心に順調に拡大。Mobage Westは13年1〜3月期に7000万ドル(約7億円)を売り上げ、4〜6月期は9000万ドル(約9億円)の売り上げを見込む。海外向けはまだ「投資フェーズ」だが、Mobage West単体なら今夏に黒字化する見通しだ。
同日発表した2013年3月期連結決算(IFRS)は、売上高(売上収益)が前期比38.2%増の2025億円、営業利益が27.5%増の768億万円、最終損益が47.8%増の467億円。
4〜6月期の業績予想は、海外Mobageの売り上げ伸長と、国内ゲーム開発体制強化に関する投資を織り込み、売上高は前年同期比13%増の539億円、営業利益は同5%減174億円となる見通し。7〜9月期以降は利益も成長軌道に乗せるとしている。
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